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マンション大規模修繕工事では、どの施工業者を選ぶのかがとても大事ですが、選び方が分からず苦労されている方は少なくありません。
大規模修繕工事は小規模のマンションであっても数千万円、中規模以上になると1億円を超えるような莫大な費用がかかる工事になります。
そのため、「この施工業者を選んで良かった」と思えるような工事にしたいのは当然のことでしょう。
そこでここでは、大規模修繕の施工業者の選び方について、建物のプロであるアパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
大規模修繕の施工業者の選び方~基本的な6つのポイント
マンションの大規模修繕工事において、抑えておきたい施工業者を選ぶ基本として、6つのポイントにまとめてみました。
まずは、このポイントを意識して、施工業者を探してみることが大切です。
どのような内容なのか、順番にご紹介していきましょう。
・大規模修繕工事の実績が豊富
大規模修繕の施工業者選びの大前提として、施工実績がどれくらいあるのかに着目し、豊富な実績のある施工業者を選ぶことが重要です。
大規模修繕は、もちろん施工においての技術力が必要であるのはもちろんのこと、安全管理や居住者への配慮などが必要になります。
当然ながら工事中でも居住者は生活を続けている訳ですから、場合によっては住民や近隣とのトラブルに発展してしまうことも考えられます。
経験が豊富な施工業者であれば、技術力だけではなく、安全に工事が進められるようにしっかりと方針が定められていますし、住民への配慮も徹底しています。
予期できなかったトラブルが生じた場合でも、その対処法についても熟知していますので、安心して工事を任せておくことができます。
・充実した保証内容
マンションの大規模修繕工事において、必ず押さえておきたいのが『保証内容』について。
保証を用意している施工業者であれば、万が一、修繕工事の完了後に隠れた不具合や欠陥などが明らかになった場合でも対応してもらうことができます。
施工会社によっては、『大規模修繕瑕疵(かし)保険』に加入して対応することや、自社独自の保証を用意しており、すぐに修繕などの対応を受けることができるようなこともあります。
それらの保証においては、保証期間が定められており、工事個所や条件などが定められているケースが多くなっています。
大規模修繕工事後にどのような内容で保証されるのか、どのような修繕をしてもらえるのかまで、しっかりと確認しておくことが大切です。
・見積書の記載内容が良心的
大規模修繕工事の施工業者選びにおいて、数社から工事の見積を依頼するケースが多いですが、その際に見積書の内容を比較してみると良いでしょう。
良心的な施工業者の場合、施工内容によって分けられており、さらに工事単価なども記載されており、どの工事をどれだけ行われるのかひと目で分かるようになっています。
『工事一式』などと明確に記載されていない場合には、工事費用が水増しされているようなケースもありますから注意しましょう。
・安全確保や居住者への対応などが明確
上記でもお伝えした通り、大規模修繕工事は外壁塗装や防水工事などのスキルだけではなく、安全に工事を進め、またマンションの居住者や近隣者に対する適切な対応など、さまざまな配慮を必要とするものです。
そのように工事に対する取り組みが明確になっているのか確認しておくことも大切です。
例えば、下請けに工事を任せてしまうのではなく、自社ですべて対応しているような施工業者であれば、対応する営業担当者や職人を観察しておくと良いでしょう。
・プレゼンテーションの質
施工業者を選定する流れとして、複数の業者に相見積もりを取り、その内容を比較検討したうえで、2~3社までに絞り込みを行います。
絞り込んだ施工業者に大規模修繕工事についてプレゼンテーションしてもらうと良いでしょう。
上記でお伝えしたような、施工業者の工事実績、保証内容、見積書の内容、工事の姿勢、居住者や近隣への対応など、詳しく知ることができます。
特にマンション住民からしてみれば、工事中に何かあった場合の対応方法や工事がどの程度進捗しているのか、防犯対策は講じられているのか、など気になることがあるはずです。
例えば、事前に夜間の施錠体制やセンサーの設置などに対する説明があれば、安心できる材料になるのではないでしょうか。
また、アフターフォロー体制や不具合が現れたときの保証の範囲なども明らかになるのであれば、その施工会社を信用することができるようにもなります。
・現場監督の対応力や営業担当者の人柄
大規模修繕工事の施工業者を選ぶにあたって、現場の工事を取りまとめる現場監督の対応力は優れているのか、営業担当者は信用できるのか、といったことも重要です。
現場監督や営業担当者が信頼できないのであれば、そもそも大規模修繕工事を安心して任すことはできないからです。
相談しやすい、また相談に対して親身になってくれる、すぐに対応してくれる、などといった点について着目しておくと良いでしょう。
大規模修繕の施工業者の種類
大規模修繕の施工業者には、いくつかのタイプに分けることができます。
それぞれに大きなメリットがありますが、デメリットも存在しますので、双方を比較しながら選択していくと良いでしょう。
・総合建設業者
『総合建設業者』は一般的にゼネコンと言われており、特に大規模マンションでの大規模修繕工事について数多く手がけていることから、安心して依頼することができます。
ただし、一般的には総合建設業者がそのまま工事を行うのではなく、下請けの専門工事業者に委託することが多いです。
そのため、工事費用が高くなる傾向にあり、また下請けの専門工事業者が信頼できる会社なのかチェックしておくことも重要です。
・専門工事業者
専門工事業者は、もともと外壁や屋根塗装、防水工事などに特化して営業活動を続ける中で、経験と実績を踏まえて大規模修繕工事に取り組むようになったという会社が多くみられます。
そのため、今まで積み上げてきた豊富な知識や技術を持ち合わせていることが多く、しかも長期間のアフターフォローを実施して、信頼を築いていこうとする姿勢が感じられます。
自社の職人によって大規模修繕工事に取り掛かるケースが多く、下請けに丸投げしてしまうようなことがないために、中間マージンがなく工事費用を抑えることができます。
ただ、工事に対応できるエリアが限定されていることがあることや、ネームバリューの低い施工会社も多いことから、しっかりと調査したうえで依頼する必要があります。
・マンション管理会社
マンション管理会社に対しても、大規模修繕工事の依頼が可能です。
日常的にマンション管理業務においてコミュニケーションを取っているような場合には、信頼関係がすでにできており、気軽に相談することもできるでしょう。
ただ、マンション管理会社で大規模修繕を施工する場合には、ほとんどのケースでグループ会社や外注業者に発注することになります。
中間マージンが必要になることから工事費用は高騰してしまうケースが多く、工事を請け負う会社によっては、満足いかない工事になってしまう可能性もあります。
大規模修繕の施工業者の選定方式
では次に、大規模修繕の施工業者を実際に選定していく方法について解説していきましょう。
・見積合わせ方式
『見積合わせ方式』とは、複数の施工業者から見積書を取り、また見積書と同時に大規模修繕工事の施工計画書なども提出してもらい、それらを踏まえて選定するという方式です。
上記において、見積りの記載内容が施工業者の選定のために重要であることをお伝えしましたが、このように相見積もりをしておくと施工業者の比較が容易にできるメリットがあります。
施工業者に対しては、同じ条件で見積書を取っているために、公正に判断できる方法であると言えるでしょう。
ただ、見積書だけでは判断が難しいケースも多いために、事前にどのような判断基準で比較するのか定めておくことが大切です。
・入札方式
大規模修繕工事を希望する業者に対する一般競争入札によって、施工業者を決定するのが『入札方式』です。
一般競争入札とは、公告された要件にあてはまるすべての施工業者が入札を行い、もっとも有利な条件を提示した業者を選択するという方式を言います。
価格の安さで決定する『価格競争方式』のほかに、価格以外の要素も踏まえて判断する『総合評価落札方式』も存在します。
一般競争入札においては、さまざまな施工業者を比較することができ、しかも参加者の要件を示しておけば、信用や技術力もある程度担保することも可能です。
ただ、価格競争に重きをおいた場合には、材料費や人件費を削られてしまうことに繋がり、工事の質が低くなってしまう可能性があります。
・特命随意契約方式
『特命随意契約』とは、特定の施工業者を指定して契約を結ぶ方式のことを言います。
工事を発注するマンション側と施工業者の間に信頼関係が出来上がっているような場合に、前回の大規模修繕工事で依頼した業者のような場合には、特命随意契約が用いられることが多くみられます。
すでにどのような工事をしてくれるのか把握しており、信頼関係も構築できているのであれば、工事をスムーズに進ませることができます。
ただし、上記の2つの方式のように、比較や入札によって決める方式ではないために、工事費用が割高になってしまう可能性があります。
そのような懸念も持ち合わせておきながら、業者選定を進めていくと良いでしょう。
大規模修繕の施工業者の発注方式
大規模修繕を施工業者に発注する方式にも、いくつかのタイプがあります。
管理組合で大規模修繕工事の工事範囲が決まったのであれば、複数の施工業者に依頼し、見積書を取り、それぞれの設計や提案を比較して、施工業者を選定することになります。
最終的には管理組合で工事範囲や工事金額を決定し、理事会や総会決議にかけて、了承を得れば発注する流れになります。
・責任施工方式
『責任施工方式』とは、施工業者に大規模修繕工事の調査から、工事の施工、チェックまで、すべてを任せてしまう方式のことを言います。
すでに信頼関係が構築できており、過去に工事を任せていた経験があるような場合には、手間なくスムーズに工事を進ませることができます。
ただし、1社に対して工事すべてを任せてしまうために、工事の品質や内容については十分に注意が必要になります。
いい加減な施工業者である場合には手抜きをしてしまうことや、工事価格を水増ししているようなケースが見られます。
そのため、施工品質が一定以上に保たれているかチェックできるような体制を整えておくことが大切で、場合によっては外部のコンサルタント会社や設計事務所、建設会社などに依頼しなければならないケースもあります。
・設計監理方式
『設計監理方式』とは、工事会社とは異なる設計事務所や建設会社に対して、工事の仕様や見積りの精査、工事品質のチェックなど依頼する方式です。
上記の責任施工方式においては工事の品質や工事価格に客観性がないために、品質が保たれていないことや工事価格が適切ではない可能性があると指摘しました。
しかし、設計監理方式においては、設計事務所や建設会社が修繕工事に対するさまざまな精査・チェックを行うために、品質の維持を図ることが可能です。
ただし、工事会社とは別の設計事務所や建設会社に設計監理してもらうため、工事費用の1割程度の費用負担が必要になります。
とはいえ、見積りに対する精査も業務として行うために、場合によってはコストを抑えることにも繋がります。
まとめ
マンション・アパートの大規模修繕工事の施工業者の選び方について、基本的なポイントや施工業者の種類、選定方式・発注方式などについて詳しくお伝えしました。
大規模修繕工事は、小規模のマンションにおいても数千万円程度の工事費用となり、中規模クラスからは1億円以上の工事費用となることも珍しくありません。
そのため、施工業者選びは慎重に行うべきで、安心して任せられる信頼できる業者を選び出すことが大切です。
ただ、施工業者選びで頭を悩ませているマンション管理組合は少なくありません。
そのため、専門業者をうまく活用し、費用負担を減らしながら、適切な修繕工事に取り組むことが大切です。
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