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「マンションの大規模修繕工事ってどんなトラブルが起きるの?」
「トラブルなく大規模修繕工事を終えることってできる?」
誰しもマンションで取り組む大規模修繕工事において、トラブルなく終えることを望んでいるはずです。
トラブルなく大規模修繕工事を終えるためには、どのようなトラブルの発生リスクがあるのか理解し、その対策に取り組んでおくことが大切です。
そこでここでは、マンションの大規模修繕にみられるトラブルについて、その原因や対策なども踏まえ、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
マンションの大規模修繕でのトラブルとは
マンションの大規模修繕工事は、計画から工事、施工後のアフターフォローまで数年を要することもあり、施工は住民が生活する中で行われます。
工事費用においてはマンションの規模によって1億円以上になることもあるため、住民による修繕積立金によって賄われます。
トラブルは生じないことが一番ではありますが、そのような大がかりなものですから、どうしてもトラブルが起きずに工事を超えることは難しいと言えるでしょう。
そのため、大規模修繕工事の一連の流れの中で、どのようなトラブルが考えられるのか把握しておき、トラブルが起きないようにするにはどうすればいいのか、起きた際にはどう対処すればいいのか考えて行動することが大切です。
というのも、大規模修繕でのトラブルは、個々のマンションによって内容は異なりますが、ポイントをまとめてみると共通した内容が多いからです。
予測できるトラブルについては、事前に修繕委員会や管理組合の理事会などで打ち合わせをしておくことや、施工業者に相談して対処してもらうことも可能です。
大規模修繕工事を大きな問題なく終えるために、起こり得るトラブルについて把握しておくようにしましょう。
マンションの大規模修繕に取り掛かる際でのトラブル
マンションの大規模修繕工事は、工事を施工するまでにもさまざまな取り組みが必要になります。
マンション住民が気持ち良く、大規模修繕工事に取り組むためにも、これからお伝えするトラブルについて把握しておき、対策しておくことが重要です。
・修繕積立金に関するトラブル
『修繕積立金』に関するトラブルには、修繕積立金が足りなくて思うような大規模修繕工事ができないというものが見られます。
その原因として、
- 予定していた修繕積立金が集まらなかった
- 計画よりも多くの費用が必要になった
といったものにまとめることができます。
修繕積立金が不足している場合には、
- 住民から修繕積立金を追加徴収する
- 修繕積立金を値上げする
- 不足分を金融機関から借入する
- 相見積もりを取ってできるだけ安い施工業者を探す
- 施工内容や施工方法を見直す
などといったことを複合的に取り組む必要があります。
不足している費用が少額なのであれば、住民に事情を説明して修繕積立金の追加徴収が可能でしょう。
ただし、大幅に費用が足りないような状況であれば、一時的な追加徴収で賄うことは難しく、修繕積立金の値上げや金融機関からの借入を検討しなければなりません。
ただ、修繕積立金を値上げするような場合には、当然ながら住民からの反対は免れることはできませんから、明確な根拠を示したうえで時間をかけて説明していかねばなりません。
また、金融機関による借入の場合には、うまく工事費用を補填することができますが、返済が始まると修繕積立金が返済に回りますから、資金不足のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。
そのため、返済計画も明確にしたうえで、うまく活用すれば、住民とのトラブルを防ぎ、資金を調達できるでしょう。
・管理組合でのトラブル
マンションで大規模修繕工事に取り組む場合には、管理組合が中心となり計画立案から費用の管理、施工業者の選定などを行っていきます。
特に中心となるのは、管理組合の理事会や修繕委員会になりますが、この中で意見が上手くまとまらないことは珍しくありません。
実際に大規模修繕工事を進めていく際には、方向性を決定し、さまざまな事柄を検討していかねばなりません。
また同時に、住民に対して説明会も開催し、今まで開催された理事会や修繕委員会の内容を報告し、住民からの意見も集めながら進めていく必要があります。
住民としては毎月、修繕積立金を支払っている訳で、大規模修繕工事を始めるとなると数千万円以上もの大きな費用が動く工事になりますから、一部の意見だけを踏まえて物事を決めてしまうと、のちのち大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
また、工事が始まってからもトラブルを生じさせてしまう原因にもなりかねませんから、まずは管理組合で方向性を共有したうえで、みんなが満足できるような修繕工事にしていかねばならないのです。
マンションの大規模修繕工事でのトラブル
マンションで実際に大規模修繕工事が始まると、施工業者が出入りし、それまでの生活とは一変してしまうことになります。
そのため、工事内容をはじめとして、居住者や近隣住民、施工業者とのトラブルなどが考えられます。
・大規模修繕工事でのトラブル
大規模修繕工事が始まると、工事での騒音や振動、ホコリ、ニオイなどが原因となってトラブルに発展してしまうことがあります。
足場を組み立てる仮設工事においては、金属の足場を運んでマンションの周りを囲んでいくことになりますから、ベランダから騒音が気になる方が多くなります。
外壁の補修工事においては、外壁を電動カッターや電動ドリルを活用するようなシーンがあり、どうしてもそれら機材の音が室内に響いてしまうことがあります。
工事で発生するホコリによって、ベランダに洗濯物が干せなくなることや、換気のために窓を開けることが出来なくなってしまうことも考えられます。
外壁塗装が始まると、塗料の特有のニオイが充満する際にも同様です。
工事期間は少なくとも数か月程度、長くなると1年以上にもなることがありますから、そのような状況のままであると、マンション住民のストレスも増大してしまうことになります。
どうしても防ぎきれない部分はあるものの、いつどんな工事を行い、工事にかかる時間帯などを丁寧に説明しておけば、ある程度のトラブルは回避できます。
例えば、この期間の日中にはニオイが発生する可能性があり、生活面でどのような不便が生じるか分かっていれば、それを回避した生活を行い、負担を軽減させることが可能になります。
計画期間や工事時間について、施工業者には遵守してもらうように念を押しておくことも大切でしょう。
・居住者とのトラブル
大規模修繕工事は、マンション住民が日常生活を送っている中で施工されることから、うまく終えるためには居住者の協力が不可欠です。
上記でもお伝えした通り、修繕積立金の負担をしてもらう必要があり、工事中においてはさまざまな不便が強いられてしまうことにもなります。
そのようなことから、住民に対する丁寧な説明会が開催され、協力を求めたうえで工事が行われることになるのですが、すべての住民が協力的であるとは言いきれません。
中には非協力的な発言や行動を取るような方や、場合によっては施工業者の作業の妨げになるような行動を取るようなケースも考えられます。
しぶしぶ協力したものの、上記のような騒音やニオイなどに悩まされることがきっかけに、トラブルに発展してしまうこともあります。
どうしてもトラブルになりがちですから、工事が開始されてからも居住者とのコミュニケーションはとても大切で、何か意見を聞いたならば施工業者に相談して対策してもらうことが大事です。
工事が進行する中でも、スケジュール的なことはもちろんのこと、建物の状況や工事の目的、工事の進捗状況など、共有しておくことも必要になります。
・施工業者とのトラブル
- 工事の遅延
- 施工ミス
- 施工費用の追加請求
- 住民とのトラブル
施工業者とのトラブルには、上記のようなものが考えられます。
大規模修繕工事は作業内容によっては雨天などでできないものもあり、また劣化症状などによって工事内容が予期せぬ形で追加されるようなことも考えられます。
調査だけでは確認しづらい外壁の劣化症状や外壁タイルの浮きなどによって、工事が追加され、実数清算によって追加請求がなされることがあります。
また、予期せぬような不具合や大きな損傷が見つかってしまい、大幅に工事計画が変更される可能性もない訳ではありません。まず、そのようなことを避けるために、事前の建物診断が重要で、計画時にその診断を踏まえて、資金面とのバランスを考えながら工事内容を決定していく必要があります。
また、施工業者の技術力の低さから、施工ミスによって工期が遅延してしまうようなトラブルも起きています。
そのため、経験豊富な施工業者を選ぶことが大切です。
また、住民とのトラブルが生じないように、できる限り騒音やニオイには配慮してもらうようにし、時間を守って工事してもらうことが大事です。
・近隣住民とのトラブル
大規模修繕工事はマンション住民だけではなく、近隣住民とのトラブルに発展してしまう可能性もあります。
上記でご紹介したように、騒音やホコリ、ニオイなどについては、近隣住民にも被害が及ぶ可能性が十分に考えられます。
そのため、工事の計画段階から近隣住民に対しても丁寧に説明しておくことが重要です。
また工事が始まる際にも、工事期間や工事時間、工事内容などを明確に伝えておくようにします。
管理組合の連絡先も伝えておくようにし、クレームが生じた際にはすぐに施工業者に対策してもらうなど対処することが大切です。
・セキュリティに関するトラブル
大規模修繕工事は足場を設置して施工されますから、どうしても防犯上でのトラブルが生じやすくなります。
日中は作業員が出入りしているものの、夜間には誰もいなくなってしまうために、足場から空き巣が侵入し、被害が発生することがあります。
空き巣被害に合わないために、施工業者によっては無償で補助錠を貸し出しているようなケース、またマンションによってはセンサーや監視カメラの設置を行っているケースもあります。
日中においても工事関係者はひと目でわかるようにカラーベストや腕章を着用するような取り組みも必要になります。
もちろん住民の意識づけも大切で、施錠を徹底してもらうなど、防犯対策に協力してもらうように繰り返し声かけしておくようにしましょう。
マンションの大規模修繕工事後のトラブル
大規模修繕工事が終了しても、それですべてが終了する訳ではなく、工事後にトラブルが発生してしまうこともあります。
・仕上がりに関するトラブル
「仕上がりが思っていたようなものと違う」といったトラブルが生じがちです。
例えば、外壁塗装や外壁タイルを張り替えするような場合、サンプルで見た色と、実際に施工された色とではイメージが異なることがあるのです。
そのため、見本帳やサンプルなどがある場合には、室内で確認するだけではなく、屋外で見ることや実際に外壁にあてて観察するなど、さまざまな視点が必要です。
外壁タイルを張り替えする場合には、同じ外壁タイルがなく、似たようなもので対応するか、新たに作ることになりますが、色むらが生じないように施工業者に対応してもらうようにしましょう。
・補修などに関するトラブル
大規模修繕工事の完了後に、すぐに補修が必要になると、余計な費用や手間が生じてしまうことになります。
完了してから一定期間に不具合が生じるような場合には、もちろん施工業者によって補修してもらう必要がありますし、きちんと機能を果たしているのかアフター点検も大事です。
そのため、施工業者選びの段階において、工事完了後のアフターサービスについて確認しておくことが大切です。
工事完了後でも長い付き合いを考えている施工業者であれば、安心して工事をお任せできるのではないでしょうか。
マンションの大規模修繕のトラブル対策
- トラブルを想定した長期修繕計画を
- 実績や経験の豊富な施工業者を選ぶ
- 瑕疵保険の加入や独自の保証サービスなどに取り組む施工業者を選ぶ
マンションの大規模修繕工事に取り組む際には、上記でご紹介したようなトラブルも想定して計画を立てておくことが大切です。
実際にトラブルが発生した場合でも、想定した計画であれば、すぐに対処することができますので安心でしょう。
そのため、まず修繕委員会のメンバー内でトラブルについて周知しておき、施工業者や居住者の意見を踏まえて計画するようにしましょう。
また、実績豊富な施工業者を選ぶようにし、アフターサービスの観点からも検討しておくことが重要です。
まとめ
マンションの大規模修繕工事のトラブルについて、施工前、工事期間中、工事完了後に分けて詳しくお伝えしました。
大規模修繕工事は、トラブルが生じないに越したことはありませんが、工事期間は数か月から1年以上になることもあり、費用においては数千万円から1億円以上になることもありますので、トラブルが発生してしまうリスクは少なからず存在します。
そのため、どのようなトラブルが生じやすいのか修繕委員会内で周知しておき、信用できる施工業者を選ぶことが重要です。
マンションの大規模修繕工事のことなら、神奈川県川崎市の地元に20年以上密着し、4,000件超の豊富な実績を持っている大規模修繕専門店『アパマン修繕プロ』にご相談ください。
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