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マンションの大規模修繕工事では、居住者の方々に対して依頼しなければならないことがいくつかありますが、その中に『網戸の取り外し』があります。
しかし、実際に網戸を取り外すとなると、どの網戸を外せばいいのか、どうやって外すのか、さらにはなぜ網戸を外さなければならないのかという疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
さらには、夏場など小さな虫が室内に入り込むことを考えると、どうしても網戸を外したくないという方もいらっしゃるのは当然のことでしょう。
また、『網戸の取り外し』と共に、『ベランダ・バルコニーの片付け』も同時に依頼されるケースが多くなっています。
そこでここでは、マンションの大規模修繕工事における網戸の取り外しについて、必要性や対策などを踏まえ、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
大規模修繕での網戸の取り外しの必要性について
網戸の取り外しは、マンションの大規模修繕工事の際には、居住者に対して依頼されることが必須の内容となっています。
マンションの規模にもよりますが、大規模修繕工事は数か月から1年以上にも及ぶ期間になることがあり、その中で網戸を取り外す期間においても1か月程度にまで及ぶことがあります。
さらには、『ベランダ・バルコニーの片付け』も同時に依頼されることが多くなっているため、居住者にとっては不自由な生活が強いられる可能性があります。
ただなぜ、網戸の取り外しが必要となり、居住スペースであるベランダ・バルコニーを片付けておかねばならないのでしょうか。
・大規模修繕での網戸の取り外しの必要性
大規模修繕工事で網戸の取り外しを求められるのは、窓廻りのシーリング工事において作業ができなくなってしまうからです。
また、同時にベランダやバルコニーの片付けが求められるのは、窓廻りのシーリング工事のほかにも、床面の防水工事が施工されるからだと言えます。
大規模修繕工事においては、主に外壁塗装をはじめとする外壁のメンテナンスをはじめ、屋上やベランダなどの防水工事、などが行われる割合が多くなっています。
外壁のメンテナンスについては、外壁を単に塗装するだけではなく、外壁材の目地などに充填されているシーリングと呼ばれるゴム状の素材を打ち替えて、雨漏りが外壁内部に侵入しないように施しておく必要があります。
シーリングは窓廻りのように、外壁と窓枠の建材のすき間を埋める目的においても使用されていることから、シーリング工事の際に網戸が邪魔になってしまうのです。
また、ベランダ・バルコニー床面に対する防水工事は、雨漏りを防ぎ、適切に雨水を排水させるために重要な工事になります
防水工事の方法にはいくつかの方法がありますが、ベランダ・バルコニーに対しては全面的に行われるために、片付けしておかないと工事を進めることができないのです。
・網戸やバルコニーは共用部分?
窓に付いている網戸やベランダ・バルコニーについては、居住者が所有するもの、居住する空間のようなイメージを持ってしまいますが、実は共に共用部分となっています。
網戸に関して言えば、同じように設置されている窓ガラスやサッシなどについても、個人が利用できる共用部分として定められています。
また、ベランダ・バルコニーについては、居住者のプライベートスペースであるとも言えるため専有部分のように感じますが、こちらも共用部分として認められています。
そのため、大規模修繕工事において、外壁のメンテナンスや防水工事が必要な場合においては、居住者に協力を依頼しているのです。
・どの網戸を外せばいいの?
網戸の取り外しについては、屋外に面している網戸についてはすべて対象となっています。
そのため、ベランダ・バルコニー側についている掃き出し窓に設置されている網戸だけではなく、出窓や廊下側などの小さな網戸も取り外さなければならないことになります。
大規模修繕工事においては、屋外に面している共用部分については施工範囲になっていますので、その範囲に含まれる網戸はすべて取り外さないと工事ができないのです。
ベランダ・バルコニー側の掃き出し窓に設置されている網戸については取り外しやすく、年末などには取り外して、網戸自体や窓枠レールの掃除をされている方も多いのではないでしょうか。
出窓や廊下側の窓に設置されている網戸については、面格子が設置されていることも多いので、取り外しがすぐにできないようなものも多く、居住者によって取り外しができないような箇所に設置されているものもあります。
そのような箇所の網戸については、大規模修繕工事の施工会社によって取り外しが行われるケースも多くなっています。
ただし、施工会社によって取り外しが行われる場合には、居住者によって取り外しをする必要はありませんが、取り外しと取り付けの際に在宅を求められることがありますので注意が必要です。
マンション大規模修繕で網戸を取り外すタイミング
マンションの大規模修繕工事において、外壁のメンテナンスやベランダ・バルコニーの防水工事が必要になりますので、網戸の取り外しや片付けをしておかねばなりません。
ただ、どのタイミングで取り外しや片付けを行っておけばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
また、居住者が取り外しできないような場所にある網戸については、施工会社が取り外すことになり、その際には在宅を求められるケースが多くなっています。
いつ、在宅しておかねばならないのでしょうか。
・網戸を取り外すタイミング
マンションの大規模修繕工事で網戸を取り外さなければならない場合、施工会社から告知があり、施工会社によって取り外す網戸がある場合には、事前にアンケート調査を実施して工事日程を調整することになります。
上記でもお伝えした通り、シーリング工事や防水工事の際に網戸の取り外しやベランダ・バルコニーの片付けが必要になりますから、「いつまでに網戸を取り外してください」「いつまでにベランダを片付けてください」と告知があります。
その告知通りのタイミングで網戸を取り外しておき、ベランダ・バルコニーの片付けにも取り組んでおくと良いでしょう。
もしこの協力が行われない場合には、工事をスムーズに進めることができなくなってしまうことになり、工事全体が遅延してしまうような事にもなりかねませんので注意しましょう。
・網戸の取り外し方
一般的な網戸については、少し上に持ち上げてズラすようにすれば外すことが可能です。
網戸のメーカーには『YKK』や『不二サッシ』『三協』『トステム』などがあり、それぞれによって作りに違いがありますが基本的な取り外し方法は同じですが、『外れ止め』や『脱輪防止機構』を知っておけば、より簡単に取り外しが可能となります。
『外れ止め』『脱輪防止機構』とは、強風の場合でも網戸が外れてしまわないようにするためのもので、特に高層部の部屋には外れ止めのセットが推奨されています。
ベランダやバルコニーの網戸に多いタイプは、2枚以上の窓をスライドさせる『引き違い窓』で、こちらのタイプについてはドライバーがあれば外れ止めを解除し、取り外すことができます。
外れ止めは主に、網戸の上端部と上部、下部の3か所についており、ドライバーによってネジを緩めてセットされている状態を解除します。
また、脱輪防止機構については、網戸の室外側下部に付いていることが多く、つまみを外側の方向にスライドすれば解除できます。
外れ止めや脱輪防止機構を解除したら、網戸の両側を持って上に持ち上げズラすようにすると、レールから外すことができます。
・取り外した網戸の保管について
取り外した網戸は、そのままベランダやバルコニーに置いておくことはできませんから、自宅で保管しておくことになります。
ただ、比較的大きなものですから、どのように保管すれば良いのか疑問を感じるのではないでしょうか。
一般的には施工会社から網戸を保管するための袋が支給されることになり、その袋に入れて工事が完了するまで自宅内で保管するようにします。
網戸が汚れている場合でも、保管袋に入れておけば、室内に持ち込んでもホコリやゴミなどで汚れる心配はありません。
保管場所については一般的には自宅になりますが、マンションによってはマンション内に設置されている集会所などが保管場所として提供されるようなケースもあります。
自宅で保管が難しいようなご家庭もあるため、網戸の保管については大規模修繕前にマンションの管理組合と施工業者との間で協議しておく必要があるでしょう。
マンション大規模修繕で網戸を取り外す際の注意点
マンションの大規模修繕において、シーリング工事や塗装工事、防水工事の際には網戸の取り外しやベランダ・バルコニーの片付けが必要となります。
ただし、窓に網戸がない場合には、窓を開けたくても開けることができなくなってしまい、換気のために窓を開けてしまうと虫が侵入してしまう可能性があります。
場合によっては、工事期間のうち1か月以上も網戸の取り外しが求められるようなケースもあります。
そのため、居住者とトラブルにならないように注意することが必要になります。
・網戸を外す期間には窓が開けられない
網戸の取り外しする期間には、作業員がベランダやバルコニーに入って作業を行うこともありますから、基本的には窓は開けられないことになります。
ベランダ側の窓には目張りをされることにはなりますが、工事時間中はもちろん、夜間においても虫が入ってくることを考えると、窓を開けるのは難しいかもしれません。
さらには防水工事の際には、エアコンが使えなくなってしまう可能性もあります。
窓を締め切った場合でもエアコンを使えば快適に過ごすことは可能ですが、特に夏場において使えない場合には、不快なだけではなく健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、工事内容や大規模修繕の時期についてもよく検討しておく必要があります。
・居住者に対する工事説明会は必ず行うこと
網戸を取り外すことによって、窓も開けられなくなることから、居住者にとっては生活の上でさまざまなデメリットが生じることになります。
もちろん、網戸の取り外しやベランダ・バルコニーの片付けについても、居住者の負担になり、高齢者の世帯などであれば、それらに対応することも難しいかもしれません。
そのため、大規模修繕工事に取り掛かるにあたって、居住者に対して事前に工事説明会を実施し、どのような工事を行うのか、またなぜ網戸の取り外しなどが必要なのか、しっかりと施工業者から説明してもらう必要があります。
さらには上記でもご紹介した、取り外し方法や網戸の保管方法などについても説明し、必要に応じて個別に対応が必要になるケースも考えられます。
また、大規模修繕は網戸の取り外しやベランダなどの片付けだけではなく、大きな音がすることや臭いが気になってしまうことも少なくありません。
ベランダに洗濯物が干せない期間などもありますので、生活のうえで不便になるようなシーンはさまざま考えられます。
そのようなことから工事期間や工事時間についても、しっかりと告知しておく必要があります。
まとめ
大規模修繕工事期間に網戸を取り外さなければならない理由や必要性、取り外し方、注意点、居住者に対する告知などについて詳しくご紹介しました。
大規模修繕においては、窓廻りのシーリング工事やベランダ・バルコニーの防水工事が行われるケースが多く、これらの工事のために各御家庭の網戸の取り外し、ベランダ・バルコニーの片付けが必要になります。
これらの依頼によって居住者自身が網戸を取り外し、基本的には自宅で保管しておかねばなりません。
網戸を取り外している間は窓を開けることができませんから、居住者の心身に対するストレスの原因になってしまう可能性があるため、事前にしっかりと説明しておかねばなりません。
そのため、大規模修繕工事に取り組む際には経験豊富な専門業者に相談するようにし、アドバイスを受けながら修繕や補修、改修を進めていくようにしましょう。
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