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マンションのルーフバルコニーは、日当たりがとてもよく、スペースも広く、見晴らしがよく開放感も抜群であるため、とても高い人気があります。
ルーフバルコニーは居住者が活用しているスペースではありますが、マンションの共有部のひとつであるため、定期的な修繕の対象となっています。
そもそも雨水が流れにくい構造になっており、さらにはホコリやゴミが溜まって排水管を詰まらせてしまうことで、雨漏りや内部の腐食を生じさせてしまうことがあります。
そのため、定期的なメンテナンスと共に、防水工事を行うことで快適な暮らしを維持できるのです。
そこでここでは、マンションのルーフバルコニーの修繕について、修繕の必要性や注意点、修繕内容、防水工事などを踏まえ、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
マンションのルーフバルコニーの特徴と注意点、修繕の必要性
マンションのルーフバルコニーは、開放感のある空間で人気がありますが、共有部になるために大規模修繕においてメンテナンスの対象となっています。
特に、ルーフバルコニーは屋根がないため、風雨の影響を受けやすく、しかも平らな構造になっているために雨水が流れにくい特徴があります。
そのため、防水面で不具合が生じると、場合によっては雨漏りを引き起こす可能性もあるのです。
・マンションのルーフバルコニーとは?ルーフバルコニーの特徴
マンションのルーフバルコニーとは、マンションの最上階のバルコニーで、一階下の屋根の上に設置されているタイプのバルコニーのことを指しています。
ベランダとの違いが分からないという方もいらっしゃるかもしれませんが、屋根がないものはすべてバルコニーであり、屋根があるものはベランダに分類されることになります。
ルーフバルコニーからは、遮るものがないため街並みが見渡せ、日当たりが良いのでしっかりと自然光を取り入れることができるため、とても人気のある物件であるのが分かります。
床面は平らな構造になっているため、居住空間のひとつとして活用することができ、庭のような素敵な雰囲気のあるリビングスペースを確保できるメリットがあります。
しかし、居住空間のひとつとして活用されるケースが多いことから、床面の掃除が行き届いておらず、ホコリや砂などが排水管に溜まって雨水が流れないケースも生じています。
・マンションのルーフバルコニーの注意点
居住においてメリットの多いルーフバルコニーではありますが、いくつかの注意点があります。
屋根がなく平らな構造であるために、ゴミやホコリが溜まりやすく、雨が降った場合に水を排水しにくい特徴も持っています。
居住空間として活用されているご家庭の中には、ウッドデッキや人工芝を設置し、テーブルを置いていることやガーデニングを楽しんでいることが少なくありません。
しかし、定期的に掃除をしておかず、そのままの状態で放置していると、排水管にゴミが詰まってしまうことや、雨水が排水されずに雨漏りが生じてしまうケースも起きてしまいます。
ルーフバルコニーで雨漏りというと驚かれる方が多いのですが、詰まった排水をそのままにしていると建物内部に雨水が侵入するようになるのです。
さらにそのまま放置していると、建物内部の柱や梁などを腐食させてしまうことになり、カビや藻などの発生によって健康被害が生じることや、建物の耐久性まで悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
・マンションのルーフバルコニーの修繕の必要性
このようなルーフバルコニーの雨漏りや建物内部の腐食を防ぐには、定期的なメンテナンスと共に、適切な防水工事が欠かせません。
上記でもお伝えした通り、ルーフバルコニーは平らで水が流れにくいために水たまりが起きやすく、そのままにしていると防水機能がどんどん低下することになるのです。
さらには、設置している人工芝やテーブル・椅子などがあるために掃除が行き届いておらず、雨季に雨が降り続くような季節に砂埃などが排水管に流れ込んで詰まらせてしまうこともあります。
そのため、大規模修繕のタイミングで防水工事が行われるケースが多くなっています。
ルーフバルコニーの防水層の表面には、『トップコート』と呼ばれる紫外線から守るための仕上げ材が塗布されており、5年程度で塗り替えが必要になります。
また、防水層自体も10年~15年程度で劣化が生じると言われているため、大規模修繕工事においてはFRP防水やウレタン防水などによってメンテナンスが行われるのです。
また、防水層だけではなく、下地にもひび割れなどが生じていないか調査され、必要に応じて修繕工事が施工されます。
ルーフバルコニーの防水工事とは
ルーフバルコニーの防水工事とは、床面に対して防水材で覆って防水加工を施して、水はけを良くすることや雨漏りの防止など、防水性を持たせることを目的としています。
ルーフバルコニーには新築時に防水加工が施されていますが、防水性が劣化してしまうと、バルコニー本体にまで雨が染み込んでしまい、雨漏りが発生することや建物内部を腐食させてしまうことになります。
そのため、劣化の進行度合いに応じて防水工事を行う必要があります。
ルーフバルコニーの防水工事には、大きく4種類に分けることができます。
- トップコートの塗り替え
- ウレタン防水
- FRP防水
- シート防水
ここでは、ルーフバルコニーの防水工事の方法について詳しくご紹介しましょう。
・トップコートの塗布
ルーフバルコニーは、床面の下地に防水層を形成し、さらに表面にトップコートが塗布されて防水性を高めています。
上記の4種類の防水工事の中で『トップコートの塗り替え』は、防水層に塗られているトップコートに劣化が生じている場合に行われる工事内容となっています。
トップコートとは、防水層を紫外線や摩耗から守るために塗られる素材であり、トップコートの塗り替えをしっかりと施工しておくだけで、将来的な防水工事のコスト削減に繋げることができます。
トップコートには『ポリエステル系』『アクリルウレタン系』『フッ素系』などといった種類があります。
『ポリエステル系』は摩耗に強く、主にFRP防水を施工する際に使用されることが多くなっています。
『アクリルウレタン系』『フッ素系』は伸縮性が高く、重ね塗りに適しており、ウレタン防水において使用されています。
シート防水に対しては、『アクリルウレタン系』が採用されています。
トップコートが劣化してくると、表面が色褪せることや、チョーキング現象といった手に触れると白っぽい粉が付くような症状、ひび割れや剥がれなどが見られるようになります。
5年程度で劣化することから、5年目・10年目で塗り替えが行われ、15年目に防水層の工事が行われるマンションが多くみられます。
トップコート塗替えのメリットは、施工が簡単で、メンテナンスが短期間で済み、表面の小さな傷を素早く効率的に補修できることにあります。
さらに、トップコートの再塗装は比較的安価であるため、修繕費用を抑えて必要な修繕費に活用したいと考えているマンションにとって魅力的な選択肢となります。
・ウレタン防水
ウレタン防水とは、ルーフバルコニーのように平らな箇所に対して施工される防水工事のひとつで、ウレタン樹脂を塗り重ねることによって防水層を形成する工法です。
繋ぎ目のない防水層を形成することができますので、効果的に雨水の侵入を防ぐことができます。
ウレタン防水には『密着工法』と『通気緩衡工法』の2種類で施工されることが多くみられます。
密着工法とは、ウレタン樹脂を下地に塗り重ね、そのうえからメッシュ状の補強布を張り付け、さらにウレタン樹脂を塗り重ねていくというものです。
短期間で防水工事を終えることができ、コストを抑えることができるために多くの防水工事で取り入れられていますが、下地にひび割れが生じているような場合には影響を受けてしまうことがあるため注意が必要です。
通気緩衡工法とは、通気緩衡シートを張り付けたうえからウレタン樹脂を塗り重ねていくという工法で、水分を含んだ下地でも通気性が良いために効果的であると知られています。
床面の下地に雨水が染み込んでいるような場合、温かい日には湿気が外に出ようとしますが、通気緩衡シートは外部に湿気を逃がすようにできるメリットがあります。
ルーフバルコニーをはじめ、マンションの屋上など、広い箇所において多く採用されている工法です。
ちなみに、ウレタン防水の耐用年数は10年から15年程度であると言われており、トップコートでしっかりとメンテナンスすることによって耐用年数を維持することが可能です。
・FRP防水
FRP防水とは、繊維強化プラスチック(FRP)と呼ばれる素材を活用して防水層を形成する工法のことを言います。
防水工事は、プラスチック系の防水繊維であるFRPシートを床面に敷いて、その上からポリエステル樹脂を塗って硬化させ、さらにトップコートによって保護していきます。
繊維強化プラスチックはとても丈夫で、耐衝撃や耐摩耗に優れている素材であり、しかも速乾性であるために工期も短くて済むというメリットがあります。
風呂場の浴槽でも使われている素材であり、とても軽いために重さに弱いようなバルコニーや屋上などにも適していると言われています。
しかし、FRP防水は繊維強化プラスチックを活用しているが故に伸縮性が少なく、熱や湿度で変形して割れてしまうことや、下地の動きに追随できないことから地震などで割れてしまうデメリットもあります。
・シート防水
シート防水とは、床面の表面に塩化ビニールやゴム製で作られたシート材を貼り付けることによって、防水層を形成するという防水工法の一種です。
シート防水の工事は、工場で生産されたシートを張り付けて防水層を作り上げますが、均一な厚みで仕上げられることから広い面積の箇所に適しており、露出面積が大きいルーフバルコニーや屋上などに使用されています。
専用の接着剤によってシートを接着する『密着工法』、専用の機械によってシートを接着する『機械固定工法』などといったものがあります。
機械固定工法は直接的な接着は行わないことから、下地の湿気の影響をほとんど受けることはないため、ルーフバルコニーに適している工法であると言われています。
ただし、防水材がシート状であることから、複雑な形状の箇所では覆うことが難しいと考えられています。
まとめ
マンションのルーフバルコニーの修繕について、修繕の必要性や注意点、修繕内容、防水工事などを踏まえ、詳しく開設しました。
ルーフバルコニーはとても広いバルコニーで、日当たりがとても良く、見晴らしや開放感が抜群であるために、高い人気となっています。
居住空間のひとつとして活用されているケースが多く、ウッドデッキを敷いてテーブルや椅子を設置することや、人工芝を敷いてガーデニングを楽しむ様子なども拝見できます。
ただ、ルーフバルコニーは共有部であるために、定期的な修繕が必要で、大規模修繕においては防水工事を施工するケースが多くなっています。
特に、ルーフバルコニーは平らになっているために、雨水が流れにくい特徴があり、しかもさまざまな生活用品を日常的に置いていることから、ホコリや砂などが溜まりやすい傾向があります。
そのため、排水管が詰まってしまい、雨漏りを引き起こすことや、下地の内部に雨水を侵入させ、腐食させてしまうこともあります。
そのようなことから5年に一度はトップコートと呼ばれる保護材を塗布し、大規模修繕の際にはルーフバルコニーに適した施工方法で防水工事を行うことが大切です。
ルーフバルコニーの防水工事について、どのように進めていけばいいのか分からない場合には、地元で経験豊富な大規模修繕の専門業者に相談するようにし、アドバイスを受けながら進めていくようにしましょう。
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