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マンションの外壁塗装を行う場合、塗料選びはとても重要であるため、慎重に行う必要があります。
とはいえ、外壁塗装で活用されている塗料にはさまざまな種類があり、その中から適切な塗料を選び出すのは簡単なことではありません。
グレードの低い塗料を使用すれば、コストは抑えられるものの耐用年数が低くなり塗り替えの頻度が多くなりますし、グレードの高い塗料を使用すれば耐久性に優れているものの、一時的なコストが高くなってしまいます。
また、油性塗料や水性塗料、あるいは1液型塗料や2液型塗料などといった、成分によっても種類を分けることができます。
そこでここでは、マンションの外壁塗装で活用される塗料の種類について、その特徴や役割、選び方のポイントなどを踏まえて、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
マンションの外壁塗装に活用されている塗料の種類
マンションの外壁塗装には、さまざまな種類の塗料が提供されています。
そもそも外壁塗装は、マンションの美観を取り戻すという意味はもちろんのこと、外壁の防水性を高め、マンションの耐久性を維持するためのものでもあります。
主に大規模修繕工事のタイミングで外壁塗装に取り組まれるケースが多いですが、大規模修繕は10年から15年の頻度で行われることから、塗料選びはとても重要になります。
もちろん全体的な工事費用が気になることは間違いないのですが、一時的なコストばかりに着目してしまうと、次回の修繕工事まで状態を維持できない可能性もあるからです。
そのようなことから、外壁塗装にどのような塗料が活用されていて、耐用年数や費用相場はどのようなものなのか把握しておくことが重要でしょう。
・マンションの外壁に活用される塗料の種類
マンションの外壁塗装では、さまざまな種類の塗料が販売されており、活用されています。
塗装で活用される塗料は、含まれている成分の違いによってグレードに分けられており、グレードによって耐久性や費用相場が異なっています。
代表的な塗料には、つぎのものがあります。
- アクリル塗料(耐用年数3~5年)
- ウレタン塗料(耐用年数5~8年)
- シリコン塗料(耐用年数8~13年)
- ラジカル塗料(耐用年数8~15年)
- フッ素塗料(耐用年数10~15年)
- ナノテクノロジー塗料(耐用年数10~15年)
- 無機ハイブリッド塗料(耐用年数15~25年)
グレードによって、耐用年数が異なっており、グレードの高い塗料になればなるほど、費用相場も高くなる傾向にあります。
また『水性塗料』『油性塗料』に分けることもできます。
塗料の成分は、樹脂と顔料、添加剤の三つの成分で作られており、それらの成分を『水』もしくは『溶剤(シンナーなど)』で希釈して活用されています。
水で希釈したものを水性塗料、溶剤で希釈したものを油性塗料と呼んでいます。
かつては油性塗料が主流でしたが、特有のにおい、環境への配慮から水性塗料の開発が活発化し、油性と同じ程度の耐久性を持つ水性塗料も提供されるようになってきました。
さらに『1液型塗料』や『2液型塗料』といった種類も存在します。
1液型塗料とは、硬化剤が最初から混ぜられている塗料のことで、2液型塗料とは、主材に硬化剤を混ぜて使用する塗料のことを指しています。
その他にも、艶の度合いによって分けることや、断熱性や遮熱性といった機能の違いによっても分けることもできます。
そのようなことから、マンションの外壁塗装に取り組む場合には、塗料の種類によってどのような特徴があるのかつかんでおくことがとても重要になります。
・ 塗料の費用相場
次に、マンションの外壁で活用される塗料の費用相場についてご紹介いたしましょう。
- アクリル塗料(1,000円/㎡~2,000円/㎡)
- ウレタン塗料(1,500円/㎡~2,500円/㎡)
- シリコン塗料(1,700円/㎡~3,500円/㎡)
- ラジカル塗料(2,300円/㎡~3,500円/㎡)
- フッ素塗料(3,000円/㎡~5,100円/㎡)
- ナノテクノロジー塗料(2,500円/㎡〜5,500円/㎡)
- 無機ハイブリッド塗料(4,400円/㎡~5,500円/㎡)
上下においては、塗料のグレードにおける耐用年数の違いについてご紹介しましたが、費用相場を並べてみるとグレードごとに価格が高くなっていることがお分かりになるかと思います。
一般的には、マンションだけではなく戸建て住宅においてもシリコン塗料が採用されるケースが多くなっています。
コストと耐用年数のバランスが良く、最も採用されていることからメーカーが提供する製品の種類も多いからです。
ただし、戸建住宅とは違い、マンションのようになかなか塗り換えが難しいケースであれば、耐久性の高い無機ハイブリッド塗料が採用されるケースも少なくありません。
無機ハイブリッド塗料は、メーカーによっては耐用年数が20年以上と公表しているものもあり、中には30年以上としている製品も存在します。
大規模修繕工事を10年の頻度で考えているのであれば、シリコン塗料を採用するとタイミングとしては良いのかもしれませんが、20年の頻度で考えているのであれば無機ハイブリッド塗料の方がコストパフォーマンスはよくなる可能性があります。
このように、一時的な費用を抑えることを主眼とするか、長い計画の中でコストパフォーマンスを考えるかによっても選ぶ塗料は変わってくるのではないでしょうか。
ちなみに、油性と水性では費用相場の差は、それほど違いがありません。
・そもそもマンション外壁に塗装工事が必要な理由
マンションの外壁塗装工事は、建物の美観を維持する目的だけではなく、雨漏りや外壁の損傷を防ぐために定期的に行う必要があります。
マンションの外壁は、常に紫外線と風雨の影響を受ける箇所であることから、少しずつ塗装した塗膜が劣化していきます。
劣化すると、色あせや汚れが目立つようになることや、塗膜のひび割れや剥がれなどが生じることもあります。
そのまま劣化が進行すると、マンションの外観が古びたようなイメージとなってしまいます。
しかも塗膜が自然の脅威から外壁材を守っていましたが、そのような機能が衰えてしまうため、外壁材そのものに悪影響を及ぼしてしまいます。
外壁材にひび割れや欠けなどが生じ、その箇所から雨水が内部に浸入してしまいます。
すると雨漏りの原因になってしまうことや、外壁内部の腐食、コンクリートの中性化による爆裂現象など、耐久性を脅かしてしまう損傷に繋がってしまうのです。
そのため、外観を維持するためだけではなく、紫外線や風雨から守るためにも、定期的な外壁塗装が必要なのです。
マンションの外壁に適した塗料を選ぶポイント
マンションの外壁に適した塗料を選ぶ際には、考慮すべきポイントがいくつかあります。
上記でも少しお伝えしましたが、どの塗料を活用するかによって、耐久性や機能が大きく異なってきます。
どうしても一時的なコストばかりに目が向きがちにはなりますが、長期的な修繕計画の中で、最もコストパフォーマンスの良い塗料を選ぶことが重要です。
マンションの資産価値を維持するためにも、塗料の持っている耐久性に着目し、汚れにくさ、コストパフォーマンスなどといったポイントを理解しておかねばなりません。
さらには、外壁塗装に関する豊富な技術と知識を兼ね備えている専門業者に相談することが重要なのです。
・耐久性
マンションの外壁塗装に取り組む際に、塗料選びで着目しておきたい機能は『耐久性』です。
上記でもご紹介していますが、塗料にはグレードがあり、グレードが高くなればなるほど耐久性も高くなる傾向にあります。
特にマンションの場合、外壁は太陽からの紫外線や風雨、温度変化などといった自然環境にさらされていることになりますので、そのような要素があっても耐えられる耐久性を持っている塗料を選んでおく必要があります。
塗料の機能には『高耐候性』と呼ばれる紫外線や風雨などの要因に対して、劣化や変質を起こしにくい、高い耐久性能を持つ塗料があります。
このような機能に着目して、塗料を選ぶようにしておけば、塗膜が損なわれず、見栄えがよくなり、頻繁な再塗装の必要性が減り、長期的には費用を節約できます。
・ 汚れに強い
汚れやカビ、その他の汚れに強い塗料を選択する必要があります。
これにより、外壁をきれいに保ち、手入れが行き届いた状態に保つことができ、頻繁な塗り換えやメンテナンスの必要性を減らすことができます。
塗料の機能には『防汚性』『親水性』『防カビ性』といった汚れを防ぐ機能を有した塗料があります。
高い防汚性を持つ塗料であれば、砂埃や排気ガスなど化学物質の付着がしにくく、また親水性の高い塗料であれば、付着した汚れを雨水によって洗い落としてくれます。
防カビ性の高い塗料を活用すれば、カビの発生を防ぐことができ、美観の維持とともに、マンション居住者の健康被害を防ぐことにも繋がります。
・環境面
塗料の環境への影響を考慮し、VOC (揮発性有機化合物) が少なく、環境に優しい製品を選択するケースが多くなっています。
VOC (揮発性有機化合物) とは、揮発性のある物質のことで、発がん性など人体に有害なものもあることから、環境面を意識した外壁塗装に取り組まれるようになってきました。
具体的には、上記でもお伝えした油性塗料に含まれる有機溶剤、つまりシンナーについては人体に影響が強い物質であると言われています。
そのようなことから、近年においては、有機溶剤の量が少ない塗料や水性塗料を活用するケースが増えてきました。
特に水性塗料については近年、塗料メーカーによる開発が活発化し、油性塗料に負けない耐久性をもつものも登場しています。
そのようなことから、水性塗料にどのようなものがあるのか施工業者に相談して、選択してみるといいでしょう。
・コストパフォーマンス
マンションの外壁塗装では、何度もお伝えしている通り、コストだけに着目するのではなくコストパフォーマンスから塗料を選択することが大切になります。
必ずしも最高級の塗料を選ぶ必要はなく、むしろ、塗料のコストと、求める効果をよく検討することが大切です。
グレードの低い塗料を使用すると、塗り替えの頻度が高くなり、結果的にコストが高くなることがよくあります。
さらに、低グレードの塗料は、塗装の寿命や美観に影響を与える可能性がありますので、資産を維持するためには一定以上のグレードの塗料を選んでおくことが大切です。
・ 専門の施工業者や塗装業者に相談
どの塗料を使用すればよいかわからない場合は、専門の塗装業者または塗料業者に相談することをおすすめします。
塗料にはさまざまなグレードが存在し、そのグレードの中でも数多くの製品が塗料メーカーから提供されています。
その中から、マンションに適した塗料を選択することは、困難であると言わざるを得ません。
しかし、専門の施工業者や塗装業者であれば、修繕計画の中でどのような塗料を活用するのが良いか、適切なアドバイスを提供することができます。
マンションの外壁塗装は、1回きりの工事で終わるというものではなく、建物の資産価値の観点から、継続してメンテナンスしていく必要があります。
そのようなことから、長期的な視点で塗料を選択し、建物の管理を行っていく必要があるのです。
まとめ
マンションの外壁塗装で活用される塗料の種類について、その特徴や役割、選び方のポイントなどを踏まえて、詳しく解説しました。
マンションの外壁塗装に適した塗料を選ぶことは、美観の維持はもちろんのこと、耐久性や資産維持などといった実用性の両面からも大切になります。
修繕工事にかかるコストが大切になるのはもちろんではありますが、長期的な視点で望ましい効果を考慮することが重要です。
さらに、なぜ定期的な外壁塗装が必要なのかを理解することも重要でしょう。
マンションの資産価値の維持の観点から、最良の結果を得るためには、時間をかけて適切な塗料を選択することが重要です。
マンションやアパートの大規模修繕を検討しているのであれば、地元で経験豊富な大規模修繕の専門業者に相談し、アドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。
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