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マンションの外壁塗装で活用する塗料の種類において、『1液型』『2液型』という言葉を耳にした方は多いのではないかと思います。
外壁塗装では塗料選びが重要ですが、塗料選びで着目されるポイントとして『色』『艶』『グレード』『水性・油性』といったものが挙げられます。
それだけではなく、塗料の重要な分類として『1液型』『2液型』があり、それぞれに特徴があり、外壁材や屋根材によっては適性があることから、塗料選びの際にはその違いについて理解しておくことが大切です。
しかし、1液型・2液型にはどのような違いがあるのでしょうか。
そこでここでは、マンションの外壁塗装で活用される1液型・2液型の塗料について、特徴やメリット・デメリットなどを踏まえて、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
マンションの外壁塗装に活用される1液型・2液型の塗料とは?
マンションの外壁塗装に活用される塗料は、さまざまな分類方法があり、『グレード』『水性・油性』『艶あり・艶なし』『断熱塗料・遮熱塗料』などが挙げられます。
グレードは、耐用年数や費用にかかわる重要な分類方法になりますから、外壁塗装にかかる予算に応じた高いコストパフォーマンスの塗料を選び出すために重要です。
また、水性・油性においては、外壁塗装時に特有のシンナー臭が居住者にとってデメリットとなることから、水性や臭いが軽減されている弱溶剤が用いられるケースが多くなっています。
そのような、塗料選びの方法がある中で、1液型・2液型の塗料についても理解を深め、着目しておくことをおすすめします。
1液型・2液型の塗料がどのようなものなのか、概要や特徴について詳しくご紹介していきます。
・1液型・2液型の塗料とは?
塗料の分類については、冒頭からもお伝えしている通り、グレードや水性・油性、艶あり・艶なしといったものがあり、その中に1液型・2液型も含まれます。
グレードには、アクリルやウレタン、シリコン、フッ素、無機塗料といった種類の塗料があり、それらの塗料は『水性・油性』『艶あり・艶なし』『1液型・2液型』に分けられます。
例えば、シリコン塗料には水性と油性のものがありますし、艶あり・艶なしのものも提供されており、さらには1液型・2液型のものも存在します。
では、1液型・2液型とはどのような違いがあるのかというと、
- 1液型:主材に水やシンナーで薄めて使用する
- 2液型:主材に硬化剤を混ぜ、さらに水やシンナーで薄めて使用する
といったものになります。
違いのポイントとなるものは、ご覧になればお分かりの通り、『硬化剤』になります。
塗料は、外壁に塗装して強固な塗膜を造り出すために、しっかりと固めなければなりません。
2液型の硬化剤はそのためのもので、主材である塗料そのものに混ぜ合わせることによって反応を起こして固まりはじめ、塗装して乾燥すれば強固な塗膜となるのです。
そのため、2液型の塗料は、主材と硬化剤をセットで用いることになり、塗装する前に混ぜ合わせて使うのです。
1液型は、このような手間をなくすために開発されたもので、硬化剤を混ぜる必要がありませんので、すぐに塗装工事を始めることができます。
ちなみに、いずれの塗料も水やシンナーで薄めて使用することになりますが、水で薄めてものが『水性塗料』、シンナーで薄めたものが『油性塗料』になります。
・1液型の特徴
1液型の塗料の特徴として、主材に水かシンナーを混ぜて薄め、塗料として使用するものになります。
上記でもお伝えしたように、2液型の塗料の場合には主材に硬化剤を混ぜて活用することになりますが、1液型であればすでに混ぜられています。
2液型は、硬化剤を混ぜてしまうと、すぐに硬化が始まってしまうため、塗装作業で使い切ってしまわなければ固まってしまいます。
しかし1液型であれば、余った塗料は蓋をしておけば硬化することなく再び活用ができますので、無駄なく使用することができます。
また、硬化が始まる前に塗装作業を終える必要があるため、硬化剤を混ぜる作業は現場で行わねばなりません。
さらには、硬化剤の量を間違えてしまうと、塗料の性能を十分に発揮させることができなくなってしまうため、十分注意して取り扱わねばなりません。
そのようなことから、1液型の塗料は効率よく作業に取り掛かることができ、塗料の品質を一定に保てる点に優れていると言えるでしょう。
・2液型の特徴
そもそも塗料はかつて2液型しかなく、作業現場において硬化剤を混ぜ合わせ、撹拌したのちに塗装作業が行われていました。
しかし、現場でこのような作業をするのはとても手間で、希釈量を間違えると、塗料の品質を損なうことになりますから、十分注意がいる作業です。
しかも、混ぜ合わせると硬化が始まってしまうため、すぐに塗装し始めなければなりません。
ただ、そのような性質から、乾燥して硬化すると重ね塗りもしやすく、1液型と比較して強固で高い耐久性を持つ塗膜を作り出すことができます。
塗料の品質を十分に引き出し、高い耐久性を維持することができますので、コストパフォーマンスの良い塗料であると言えます。
1液型・2液型のメリット・デメリットを徹底比較
上記において、1液型・2液型の塗料の特徴をお伝えしましたが、どちらが優れていると言い切れるものではなく、メリット・デメリットを比較したうえで選択していく必要があります。
1液型・2液型のメリット・デメリットをまとめると次のようになります。
■1液型のメリット・デメリット
メリット | ● 手間なく塗装作業に取り掛かれる
● 価格が2液型よりも安価 ● 残っても活用できる |
デメリット | ● 耐久性は2液型よりも劣る
● 塗装できる建材が限定される ● 乾燥時間が長め |
■2液型のメリット・デメリット
メリット | ● 1液型よりも耐久性に優れている
● 乾燥時間が早い ● 耐久性に優れているためコストパフォーマンスが高い |
デメリット | ● 1液型よりも塗料単価が高い
● 硬化剤の混ぜ合わせに時間が掛かり、作業効率が悪い ● 塗料は使い切らないと次に使えない |
では、比較しておくべきポイントをまとめて、メリット・デメリットをピックアップしながら詳しく解説いたしましょう。
・耐用年数
耐用年数については、1液型より2液型の方が耐久性に優れていることから、仮に同じ種類の塗料を活用するのであれば、2液型の方が長持ちする傾向にあります。
そのため、『できる限り塗り替えの頻度を少なくしたい』『次の大規模修繕まで状態を維持したい』とご希望であれば、2液型塗料を選択しておくことをおすすめします。
2液型塗料の特徴として、塗装すると下地に定着しやすく、しかも乾燥が早く強靭な塗膜が形成されますので、紫外線や風雨に強い耐久性を引き出せるのです。
・費用相場
塗料の単価を比較してみると、2液型より1液型の方が1割程度、安価になる傾向にあります。
一般的なシリコン塗料では、1平米あたりの単価が2,000円前後になりますが、1液型が2,000円/㎡であれば、2液型では2,200円/㎡となるイメージです。
マンションの外壁塗装ということになれば大きな価格差になるため、一時的な費用を抑えたいのであれば、1液型の塗料を活用するようにすると良いでしょう。
ただ、上記でも申しました通り、耐久性は2液型が優れているため、コストパフォーマンスの観点から選ぶのであれば、2液型がおすすめです。
マンションの大規模修繕は、一般的には13年から15年の頻度で行われるケースが多いですが、比較的長めの周期で考えているならば、塗料選びも耐久性から選ぶ必要があるからです。
そのため、一時的に費用負担が生じるとしても、2液型を採用しておく方が無難であるといえるでしょう。
・塗装できる建材
1液型と2液型では、塗装できる建材に違いがあり、2液型の方がより多くの種類の建材に塗装することができます。
これは、先にもお伝えしている通り、下地への定着が2液型の方が優れているという特徴があるためです。
コンクリートやサイディングボードなどへの塗装については、1液型でも問題ありませんが、スレート屋根や鉄部、ALCパネルなどといった建材については2液型でしか対応できない塗料が多いです。
特に、金属屋根・外壁や外階段などの鉄部の塗装など『金属』については、2液型が採用される傾向にあります。
・作業効率
2液型の特徴でもお伝えした通り、2液型の塗料は主材に硬化剤を混ぜ、撹拌させてから水またはシンナーで薄め、ようやく塗装作業を行うことができます。
1液型では硬化剤を混ぜ合わせる作業は必要ありませんが、それは2液型のこのような作業が手間になるために開発されたという経緯があります。
さらには、混ぜ合わせる硬化剤の割合は、各塗料によっても異なり、メーカーの指示通りの量を守らねば、塗料の品質を十分に引き出すことができないのです。
しかも、混ぜ合わせた瞬間から硬化が始まるため、一般的には3時間から7時間程度で塗り終えておかなければ、せっかくの塗料が固まってしまいます。
そのため事前に作り置きしておくことができませんので、どうしても作業効率が悪くなってしまうのです。
ただ、塗装作業の観点からみると、乾燥は1液型よりも2液型の方が早く、重ね塗りしやすい傾向にあります。
屋根や外壁への塗装は、基本は3回重ね塗りすることとなっており、それぞれの工程においてしっかりと乾燥させたうえでないと塗り重ねることができないからです。
1液型・2液型のどちらを選択すればいいのか
上記において、1液型・2液型の塗料を比較し、それぞれのメリット・デメリットを挙げてみましたが、どちらが優れているのかについては一概に申すことができません。
ただ、長期的なコストパフォーマンスの高さ、耐久性の高さなどから、大規模修繕で外壁塗装に取り組まれるのであれば2液型がおすすめになります。
特に、1液型では塗装できない建材がありますが、2液型においては金属外壁や鉄部などの塗装にも優れているため、あらゆる箇所に用いることができます。
とはいえ、冒頭からお伝えしている通り、2液型は硬化剤を一定の割合で混ぜて撹拌し、決められた時間内に塗装しなければ硬化してしまう性質から、経験や知識のある専門業者でなければ塗料の品質をしっかりと引き出せない可能性があります。
塗料の良さを引き出せないと、施工不良を引き起こしてしまい、早期に不具合が生じる可能性が高くなってしまいます。
さらには、外壁の状態によっては1液型に適性があるようなケースもあることから、専門業者からアドバイスを受けたうえで塗料選びを行うと良いでしょう。
まとめ
マンションの外壁塗装に活用される1液型・2液型の塗料について、特徴やメリット・デメリットなどを踏まえて、詳しく解説しました。
1液型とは主材に水またはシンナーで薄めて活用する塗料で、2液型とは主材に硬化剤を混ぜ合わせて水またはシンナーで薄めて活用する塗料を指しています。
1液型は硬化剤がすでに含まれているため、2液型で必要となる硬化剤を混ぜ合わせる作業が必要なく、すぐに塗装作業を始められるメリットがあります。
しかも、2液型よりも安価であることから、外壁塗装で活用されるシーンは多くなっています。
2液型は従来から存在する塗料であり、硬化剤を混ぜ合わせる作業が手間ではあるものの、耐久性に優れた強靭な塗膜を作り出すことができます。
そのため、長期的に見るとコストパフォーマンスの高い塗料であると言えます。
このように1液型・2液型にはどちらにも優れた性質を持っているため、その適性なども踏まえながら決定していく必要があります。
そのようなことから、大規模修繕での外壁塗装においては、塗料選びの際には専門業者から適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
マンションやアパートの大規模修繕を検討しているのであれば、地元で経験豊富な大規模修繕の専門業者に相談し、アドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。
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