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アパート建物の大敵のひとつとして『シロアリ』の存在があります。
シロアリとは『蟻』という名前が付いているものの、蟻とはまったく系統の違う昆虫であり、ゴキブリ目であることからゴキブリの仲間と言えます。
蟻のように大量に生息するのが特徴で、木造住宅だけではなく、コンクリートを食い荒らすことでも知られています。
生涯のほとんどを土や木の中といった光のない空間で過ごすことから、目は退化して視力はほとんどないと言われています。
そのため、浸食しやすい木材を探しており、木材が腐食する際に発生するガスに誘われて集まってくる習性があります。
そのようなことから、外壁や床下に雨水や湿気が溜まらないように対策を講じておくことが、そのままシロアリ対策となるのです。
そこでここでは、アパートのシロアリ発生の原因について、外壁によるシロアリの被害や対策の方法などを踏まえて、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
アパートのシロアリ発生の原因は外壁?
シロアリは湿気の集まるところに発生しやすく、木造の建物だけではなく鉄筋であっても繁殖するケースも見られています。
ひとたびシロアリが発生し、大きな被害を受けてしまうと、その駆除や建物のメンテナンスだけで数十万円から100万円以上もの費用がかかる可能性があります。
そのため、シロアリが発生したら駆除すればいいという考えではなく、そもそもシロアリを建物で繁殖させないように予防や対策を講じておくことが大切です。
まずは、シロアリが発生してしまう原因と、その対策についてご紹介していきましょう。
・アパートに見られるシロアリ発生の原因は?
アパートの外壁や床下を調べてみると、シロアリ被害を発見するケースがあります。
そもそもなぜ、シロアリが発生してしまうのでしょうか。
シロアリが発生する原因は、主に次の3つにまとめることができます。
- 木材の腐食
- 床下の湿気
- 日陰
シロアリは目がほとんど見えず、日光や風を避けて湿気の多い土の中で生息しており、春ごろから餌を求めて住宅の木材へ移動します。
冒頭でもお伝えした通り、床下や外壁内部に雨水や湿気が溜まっていると、木材からガスが発生し、シロアリを誘引する原因となります。
そのため、アパートの基礎部分や外壁にひび割れが生じていると、そこから雨水が侵入して内部を腐食させてしまい、シロアリが好む環境を作り出してしまうことになるのです。
また、そのような建物の損傷によってシロアリが発生してしまうだけではなく、お風呂場の湿気やエアコン室外機が障害物となって換気が悪くなっているような場合も、原因になってしまうことがあります。
・シロアリは床下だけでなく外壁にも
シロアリは床下だけに発生するイメージがありますが、実は外壁に発生することもあり、外壁の木材を食い荒らして2階にまで到達するようなケースも珍しくありません。
土の中に生息しているシロアリは、エサを求めて土の中から建物の木材に進んで、私たちの知らない間にどんどん蝕んでいきます。
また、湿気を好むとお伝えしましたが、シロアリは木材をエサとして好み、特に好みの木材が活用されている場合には、腐食していなくても生息するケースもあります。
例えば、建物に多く活用されているスギやヒノキ、ケヤキなどにおいては、シロアリにとって柔らかく過ごしやすい木材であると言われています。
そのため、きっかけとして床下や外壁の腐食からシロアリ被害が始まり、1階部分を食い荒らし、2階にまで到達してしまうことがあるのです。
そのようなケースの場合、1階部分がかなり被害を受けている可能性があり、建物の耐久性や耐震性にまで悪影響を及ぼしているケースも見られます。
シロアリはネズミなどの害獣とは違い、目につくような箇所に被害が見られないことから、気づいたときには大きな被害を受けている可能性もあります。
そのため、床がブヨブヨする、床がきしむようになったなど、症状が見られている場合には、すぐに専門業者に相談することが大切です。
・外壁塗装とシロアリ対策
外壁塗装とシロアリ対策というと、繋がりを感じない方も多いのですが、外壁塗装では外壁や基礎のひび割れを補修し塗装しますので、シロアリ対策として深い関係があります。
外壁塗装は美観だけを目的にしているイメージがあるかもしれませんが、そのほかにも防水性を高め、建物の耐久性や耐震性を守るために行われています。
外壁表面の塗膜は、劣化してくると汚れや色褪せが目立つようになり、さらには塗膜の剥がれや浮き、膨れなどが生じるようになります。
外壁材はそもそも水に弱い性質を持っているため、塗膜に損傷が生じると、外壁材そのものに影響を及ぼすようになり、ひび割れや欠けなどが発生し、水が浸入しやすくなるのです。
外壁塗装に取り組む際には、そのような劣化症状に対しては修繕し、塗料が外壁内部に吸い込んでしまわないように調整したうえで塗装作業を行います。
下地を調整して強固な塗膜をつくり出すことによって防水性を高めることができますので、シロアリを寄せ付けないようにできるのです。
外壁のシロアリ対策については、次の章で詳しくご紹介いたします。
アパート外壁や基礎部分のシロアリ対策
上記でもお伝えした通り、シロアリが発生する原因は、床下の湿気だけではなく外壁や基礎部分の腐食であるケースも珍しくありません。
そのようなことから、外壁・基礎部分に対してもシロアリ対策を講じておくことが重要になります。
そこでここではアパートのシロアリ対策について、どのような点に注意が必要なのか詳しくご紹介していきます。
・外壁にみられるシロアリの原因
シロアリの習性として、湿気の多い箇所に生息することが多く、特に腐食した木材を好んでいることから、活動期になると土の中から現れ、建物の木材を蝕んでいきます。
土の中から現れると言うと、やはり床下をイメージすることにはなるのですが、外壁内部に湿気が多い状態であれば、外壁に繁殖することも珍しくないのです。
例えば、外壁にひび割れが生じているような場合、その箇所から雨水が浸入し外壁内部を腐食させることや雨漏りを発生させてしまうことがあります。
雨漏りと言うと屋根からのイメージが多いかもしれませんが、実は外壁が原因であることも少なくありません。
ただ、外壁から侵入した雨水が、すぐに雨漏りしてしまうかと言うとそうではなく、外壁内部に防水シートが施されているために、雨水が内部に溜まってしまうことになります。
しかも、2階の外壁から侵入した雨水であっても、どんどん下に流れていき、ついには1階の外壁内部で腐食を生じさせてしまうのです。
そのようなことから、床下のシロアリ対策をしていたとしても、外壁の損傷によってシロアリが発生してしまうということが現実的に起こってしまうのです。
・基礎部分にみられるシロアリの原因
基礎とは、外壁と地面の間にあるコンクリートでつくられている部分であり、建物を支えている重要な役割を持っています。
コンクリートであるがゆえにシロアリ対策とは全く関係のないように感じる方も多いのですが、コンクリートでもシロアリの原因になるケースもありますから注意が必要です。
基礎部分も劣化が生じてしまうと、ひび割れや欠損といった劣化症状が見られるようになり、そのまま放置していると雨水が侵入し、コンクリート内部の鉄筋を錆びつかせてしまう可能性があります。
コンクリートそのものも水に弱い性質を持っています。
特に、ひび割れなどから雨水が浸入した場合には、コンクリート内部が中性化してしまい、鉄筋が錆び付いて膨張し、外側に押し出して基礎の表面を破壊してしまうことがあります。
そのような症状のことを『爆裂現象』と呼んでいます。
そのような箇所からシロアリが侵入するようなケースもあり、さらには床下まで到達して、食い荒らしてしまうのです。
そのため、基礎はコンクリートでできているからといって油断していると、シロアリ発生の原因となってしまいます。
また、基礎部分で注意すべき点はひび割れだけではなく、カビが発生しているような場合においても、湿気が多いと判断できることから要注意です。
特に基礎部分の付近には、鉢植えやエアコンの室外機など、通気を悪くしてしまう物品を置いているケースが多く、それが原因でシロアリの繁殖を招いているケースもあります。
基礎部分にシロアリが繁殖しているような場合には、シロアリの通った道である『蟻道』が見られることがありますので、こまめに点検しておくことが重要です。
・外壁のシロアリ対策
外壁によるシロアリ発生の原因は、ひび割れなどの箇所から雨水が浸入し、内部を腐食させてしまうことによって、シロアリの好む環境を作り出してしまうことが一番に考えられます。
そもそもアパートの外壁は、内部に雨水が入ってこないように施されており、さらには外壁表面に塗料を塗装して防水性を高めています。
ただ、外壁に活用されている建材は、そもそも水に強いわけではなく、塗料の塗膜によって保護されているために耐久性を維持できています。
そのようなことから塗膜が劣化や損傷をしてしまうと、外壁材の耐久性を維持することができず、雨水が浸入してしまうこともあるのです。
塗膜が劣化すると剥がれや浮きが生じるようになり、さらには外壁材そのものに風雨や紫外線の影響を受け、ひび割れや欠けなどの損傷が生じてしまうこともあります。
そのため、塗膜に劣化症状が見られた際には、外壁の塗り換えのタイミングであると、常日頃から意識しておく必要があります。
外壁塗装のタイミングは一般的に、シリコン塗料を活用しているケースであれば10年から15年程度で塗り替えが必要になります。
色あせや汚れが目立つようになってくれば、そろそろ塗料の機能が衰えている証拠になりますから、塗装業者に相談するようにしましょう。
・基礎部分のシロアリ対策
コンクリートの基礎部分であっても、ひび割れなどの隙間からシロアリが侵入し、床下までにたどり着いて木材を食い荒らしてしまうというケースが起きてしまいます。
シロアリは1mmにも満たないようなひび割れであっても、通ることができると言われています。
そのため、基礎部分にひび割れが生じないようにしておくことが、床下のシロアリ対策としてもとても有効なのです。
そのようなことから、基礎部分に対しても外壁と同じように塗装し、外部から雨水が浸入しないように防水性を高めるのが重要だという意見が多くなりました。
ただ、私たちの住む日本は比較的湿気が多いため、建物の基礎部分においては、湿気を逃がすように工夫されています。
そのため、塗装してしまうことによって湿気を逃がしにくくなってしまうことがありますので、塗装業者のアドバイスを受けながら取り組むことが重要になります。
まとめ
アパートのシロアリ発生の原因について、外壁にみられる原因や外壁塗装による対策、基礎部分による原因・対策などを踏まえて、詳しく解説しました。
シロアリは湿気を好む性質を持っていることから、湿気の溜まりやすい床下に発生するケースが多く見られます。
ただ、シロアリは腐食した木材をエサとしますので、床下だけではなく外壁内部に発生するケースも珍しくないのです。
さらには、基礎部分のコンクリートのひび割れから浸入し、床下や外壁にまで到達して、木材を蝕んでいくこともあります。
そのようなことから、雨水の浸入を防ぎ、湿気対策を講じておくことがシロアリ対策としてとても有効になります。
外壁塗装では、単に外壁を塗装するだけではなく、外壁材や基礎部分の状態なども点検し、ひび割れ箇所などの補修も行いますので、シロアリ対策に繋がります。
特に、シロアリが発生してからでは、メンテナンス費用が高額になってしまう可能性があることから、常に予防の意識を持っておくことが重要なのです。
そのようなことから、アパートの外壁塗装においては、専門業者から適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
マンションやアパートの大規模修繕を検討しているのであれば、地元で経験豊富な大規模修繕の専門業者に相談し、アドバイスを受けながら進めていくと良いでしょう。
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