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アパートの管理や経営において、外壁に発生するカビは避けて通れない課題の一つではないでしょうか。
カビは単に見た目を損なうだけでなく、建物の耐久性を低下させ、さらには居住者の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、カビ問題からアパートを守るための知識を身につけ、快適な生活空間の維持に努めることが大事です。
そこでこの記事では、アパート外壁のカビ対策について、発生する原因、発生しやすいアパートの特性、具体的な対策を踏まえて、アパマン修繕プロが徹底解説していきましょう。
アパート外壁にカビが発生する原因
アパート外壁にカビの発生を防ぐためには、まずカビがどのような条件で成長し、どのような環境を好むのかを理解することが必要です。
アパート外壁がカビにとっての「快適な生息環境」にならないようにする対策が考えられます。
そこでここでは、まずカビの一般的な生息環境と発生条件についてお伝えし、それを踏まえて、具体的にアパートの外壁でカビが発生しやすい要因について詳しく見ていきましょう。
・カビの一般的な生息環境と発生条件
カビは微生物の一種で、その多くは高湿度と暖かい環境を好みます。特に、相対湿度70%以上、気温20℃以上の環境が、カビが繁殖しやすい環境とされています。
しかし、これらの条件はあくまで一般的なものであり、種類によってはより低温や乾燥した環境でも生育できるカビも存在します。
カビの発生と成長には、以下の要素が必要となります。
■水分
カビは水分を必要とし、特に高湿度の環境では活発に繁殖します。これは結露、雨水の侵入、換気不良による湿気など、さまざまな水分源から供給されます。
■栄養源
カビは汚れやホコリなどを栄養源として成長します。
■適切な温度
カビの成長には一定の温度が必要で、特に15℃以上で急速に成長しはじめます。
これらの条件が揃った場所は、カビにとっての「楽園」となり得ます。
・外壁におけるカビの発生要因
外壁にカビが発生する主な原因は多岐にわたりますが、日当たりの状況、周囲の環境、そして外壁塗装の塗膜の状態などが大きく関与しています。
■アパートの日当たり
建物の日当たりの状況は、カビの発生に大きな影響を及ぼします。
日光が直接当たらない日陰となる部分は、湿度が高くなりやすく、カビが発生しやすい環境が作られます。
逆に、日光が直接当たる部分は、カビの発生を抑制します。日光はカビの細胞を直接破壊し、さらには乾燥を促進し湿度を下げる役割も果たします。
■環境要因
アパートの周辺環境もカビの発生に影響を及ぼします。
例えば、近くに池や川などの水辺がある場合、その地域の湿度は高くなり、カビの発生が促進されます。
また、風通しの悪い地域や樹木に囲まれた場所なども、湿度が高まりやすい環境です。
■外壁塗装の塗膜の劣化
外壁塗装の塗膜が劣化すると、その防水機能や保護機能が低下し、結果的にカビの発生を助けることになります。
塗膜が劣化し、ひび割れや剥がれが生じると、そこから水分が侵入しやすくなります。
また、塗膜の劣化は、外壁表面の温度調整能力を損ない、結露を生じやすくすることもあります。
これらの要因が一体となり、外壁にカビが発生する条件を整えてしまいます。
次のセクションでは、これらの要因が特に顕著なアパートの特徴と、カビの発生を防ぐための具体的な対策を見ていきましょう。
カビが発生しやすいアパートの特徴
カビが発生しやすいアパートの特徴を理解することで、適切な予防策や対策を考えるための手がかりとすることができます。
特に古い建物の状態や、外壁の材質や状態は、カビの発生に大きな影響を及ぼします。
ここでは、これらの特性がカビの発生にどのように関連するのか、その詳細について探っていきましょう。
・古い建物とカビ発生の関係性
古い建物、特に長年にわたりメンテナンスが十分に行われていないアパートは、多くの場合、カビの発生にとって理想的な環境となってしまいます。
まず、古い建物の場合、経年劣化により建材の性能が低下し、防水性や断熱性が損なわれることがあります。
これにより、雨水の浸入や結露が発生しやすくなり、それらがカビの発生を促進する水分源となるのです。
また、古い建物はしばしば換気システムが不十分であることや、建物の間隔が近いなど、十分な通気が確保できないことがあります。
これにより内部の湿度が高まり、それが外壁にも影響を及ぼします。
さらに、外壁塗装の劣化もカビ発生の一因となります。
外壁塗装の劣化により、塗膜のひび割れや剥がれが生じると、そこから水分が侵入しやすくなります。
また、塗装が劣化すると、外壁表面の温度調整能力が低下し、結露が発生しやすくなる可能性もあります。
これらのような理由から、古い建物では新築の建物に比べてカビが発生しやすい傾向にあります。
したがって、古いアパートを経営する場合には、特にカビ対策には注意が必要となります。
・外壁の材質や状態がカビに与える影響
外壁の材質や状態は、カビの発生に大きな影響を及ぼします。それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
■外壁材
外壁材の種類によって、カビの発生に大きな影響を与えます。
例えば、モルタル外壁やサイディングボード、コンクリート外壁材、スタッコ塗装などの場合、表面が凸凹しており、すき間に汚れや雨水が溜まりやすくなります。
すき間に溜まった雨水や汚れがカビの栄養源となりやすく、カビの繁殖を促進させてしまうのです。
一方、アルミニウム鋼板などの金属外壁は、表面が滑らかでカビの栄養源となりにくいため、カビが発生しにくい環境を作り出します。
■外壁の状態
外壁の状態、特に塗装や防水層の状態は、カビ発生のリスクを大きく左右します。
外壁塗装の塗膜が劣化し、ひび割れや剥がれが生じると、そこから水分が侵入しやすくなり、カビの発生を促進させます。
さらに、防水機能の劣化により雨水の浸入を防げなくなると、慢性的に湿度が高い状態が続き、カビ発生の大きな要因となります。
これらを踏まえ、アパートでは、定期的な外壁の点検やメンテナンスを怠らないようにすることが、カビ対策には重要となります。
アパート外壁にカビを繁殖させない方法
カビの発生を抑えるには、予防が最も効果的です。
具体的な対策としては、換気と湿度の管理、そして建物の設計や材質の選び方が重要となります。
ここでは、これらの対策がカビの発生をどのように防ぐのか、そしてそれぞれがカビの繁殖にどのように影響を及ぼすのかについて詳しく説明していきましょう。
・日頃から清掃を意識する
外壁の清掃はカビ対策には欠かせません。
カビは汚れやほこりを栄養源として成長しますので、外壁を定期的に清掃し、これらの汚れを除去することが重要です。
外壁の清掃には専用の道具を使用し、優しく丁寧に行うことが求められます。
ブラシなどを使用して強く擦ってしまうと、外壁の塗膜を傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。
また、外壁にカビが発生している場合、カビの胞子が飛散して周囲に広がる恐れがありますので、カビを含む洗浄水が周囲に飛び散らないように配慮することが必要です。
外壁の清掃は、カビの発生を防ぐだけでなく、早期にカビの発生を発見し、迅速な対応を可能にする機会でもあります。
・防カビ性に優れた塗料による外壁塗装
カビ予防策の一つとして、外壁塗装に使用する塗料の選び方が重要です。
特に、防カビ性に優れた塗料を選択することで、カビの発生を大きく防ぐことが可能となります。
防カビ性に優れた塗料は、カビの発生を防ぐ特性を有しており、表面に付着したカビの胞子が芽生えるのを防いだり、胞子が飛散するのを抑制したりします。
防カビ性に優れた塗料を使用することは、カビの発生を予防し、アパートの美観を長期間保つ効果的な方法です。
また、定期的な外壁塗装は、外壁の塗膜劣化を防ぎ、カビの発生を抑制する重要なメンテナンス作業でもあります。
アパート外壁のカビ対策は外壁塗装がおすすめ
カビは外壁の美観や耐久性を損なうだけでなく、建物内の環境をも悪化させる要因となります。
そこで、アパートの外壁にカビが発生しないようにするには「外壁塗装」がおすすめです。
ここでは、アパートの外壁にカビを発生させないための具体的な方法として、防カビ性の高い塗料の利用について詳しく説明します。
・アパート外壁のカビ予防に防カビ塗料をおすすめする理由
防カビ塗料は、その名の通りカビの発生を防ぐ特性を持った塗料です。
この塗料は、成分にカビの発生や繁殖を阻害する成分を含んでおり、これにより塗装面にカビが発生するのを抑制します。
アパートの外壁塗装において防カビ塗料を活用した場合には、次のようなメリットがあります。
■カビの発生抑制
防カビ塗料は、カビの発生を防ぐ防カビ剤を含んでいます。これにより、塗料によって塗装された塗膜にカビが生育するのを防ぎます。
■耐久性の向上
防カビ塗料は、カビだけでなく他の微生物からも塗装面を守ります。これにより塗膜の寿命が延び、アパートの外観を長期間保つことができます。
■美観の維持
カビは建物の外観を損なうだけでなく、塗膜を劣化させてしまいます。防カビ塗料は、これらの問題を防ぎ、建物の美観を維持します。
■健康リスクの軽減
アパートの外壁に発生したカビは、風や雨によって建物内部に運ばれ、居住者の健康に影響を与える可能性があります。防カビ塗料は、このような健康リスクを軽減します。
・ 防カビ塗料は湿気の多い箇所におすすめ
アパートの外壁塗装において、特にカビ発生のリスクが高い箇所には防カビ塗料の使用をおすすめします。
具体的には、アパートの外観でも湿気の多い箇所や、日照が少ない北側の壁です。これらの場所は、カビの生育に適した環境を提供するため、特別な注意が必要となります。
まず、湿気の多い箇所について考えてみましょう。
カビは湿度が高い場所を好む傾向にあります。したがって、排水口の周りや屋外の給水管の近くなど、水分が多く存在する可能性のある箇所は、カビの発生リスクが高まります。
これらの箇所には、防カビ性の高い塗料を用いることで、カビの発生と繁殖を抑えることが可能となります。
次に、建物の北側の壁について考えてみましょう。北側の壁は、他の壁に比べて日照時間が少ないため、自然に乾燥する機会が少なくなります。
これが、カビが繁殖しやすい湿度が高い環境を生み出し、カビの発生を促進してしまいます。
そのため、北側の壁に防カビ塗料を使用することで、カビの生育を抑え、壁の劣化を防ぐことができるのです。
・防カビ塗料で塗装するには業者選びが大事
防カビ塗料の使用は、アパートの外壁にカビを発生させないための効果的な方法であると説明しましたが、その効果を最大限に引き出すためには、適切な専門業者の選択が重要となります。
■適切な塗装方法の知識
防カビ塗料も一般的な塗料と同様、その性質を十分に引き出すためには適切な塗装方法が必要となります。
塗装業者はその専門的な知識と技術をもとに、適切な塗装を行います。
■塗料選びのアドバイス
防カビ塗料にはさまざまな種類があり、それぞれ特性や価格が異なります。
経験豊富な塗装業者は、アパートの状況や予算に合った塗料を選択するアドバイスを提供できます。
■長期的なメンテナンス
塗装は一度行っただけで終わりではありません。
塗装後のメンテナンスが大切であり、適切な業者は塗装後も定期的なメンテナンスやアドバイスを提供します。
これらのポイントを考慮して、信頼できる塗装業者を選びましょう。防カビ塗料を適切に使用することで、アパートの外壁を長期的に美しく、健康な状態に保つことができます。
まとめ
この記事では、アパートの外壁に生じるカビの問題と、その対策について詳しく説明しました。
カビの発生は、湿度や環境要因、さらには外壁塗装の塗膜の劣化といった、さまざまな原因により引き起こされます。
特に、古い建物や日当たりの悪い箇所、池や川が近くにある場所では、カビ発生のリスクが高まります。
カビの発生を防ぐためには、適切な換気と湿度管理、日頃からの外壁の清掃が重要であり、また、防カビ性に優れた塗料を使用することで、カビの発生と繁殖を大幅に抑えることが可能です。
特に、湿気の多い箇所や日照が少ない建物の北側には、防カビ塗料の使用が効果的です。
ただ、防カビ塗料を最大限に活用するためには、適切な塗装業者の選択が欠かせません。
経験と実績が豊富な業者は、適切な塗装方法を提供することができ、塗料選びのアドバイス、さらに長期的なメンテナンスを提供することで、アパートの外壁を美しい状態に保つことができます。
カビは見た目の問題だけでなく、健康上の問題を引き起こす可能性もあるため、こうした対策はとても重要です。
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