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大規模修繕は義務?周期の目安は?マンションの将来を見据えた修繕計画作りについて徹底解説

マンションの管理において、大規模修繕工事は不可欠です。

そのため、その周期に関する知識は、マンションの将来を見据えた修繕計画作りにおいて欠かせない要素となります。

マンションのオーナーや管理組合の方々にとって、大規模修繕工事の周期の目安を理解することは、居住者にとって快適な住環境を維持し、資産を守る上で非常に重要です。

この記事では、大規模修繕工事の周期に関する目安とその重要性について徹底的に解説します。

まずは大規模修繕工事の法的な側面や義務について解説し、その後に具体的な周期の目安を探ります。

さらに、大規模修繕計画書の策定についても触れ、その重要性と作成時のポイントを解説します。

大規模修繕は義務?周期の考え方について

マンションの大規模修繕は、その建物が長持ちするため、また住民が安心して生活できるために非常に重要な工事となります。

しかし、大規模修繕工事の周期に関しては、法律で具体的に定められているわけではありません。それでは、どのようにして大規模修繕の周期を決めるべきなのでしょうか?

ここでは、大規模修繕の義務やその重要性、そして国土交通省が示すガイドラインに基づく修繕の目安について詳しく解説していきます。

・大規模修繕は義務ですか?

大規模修繕工事というと、その規模とコストから義務のように感じられるかもしれませんが、実は法律で明確に大規模修繕工事を義務付けているわけではありません。

しかし、それが義務ではないと言っても、マンションの維持管理という視点から見ると、大規模修繕工事は非常に重要なものとなります。

賃貸マンションの場合、オーナーは建物全体を修繕する義務があります。

これは民法第606条に基づくもので、賃貸人は「賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と規定されています。

具体的には、エレベーター、エントランス、廊下など、入居者の居住部分以外の共用部の維持管理が義務の範囲となります。

これにより、共用部分が常に安全かつ清潔に保たれ、入居者が快適に生活できる環境が保持されます。

修繕を怠り、それが原因で入居者に被害が発生した場合、マンションの所有者は損害賠償の責務を負うことになります。この点からも、大規模修繕工事の重要性が高まります。

一般的には、マンションの大規模修繕は12年を周期として行われることが多いです。この周期は、建物や設備の耐用年数や診断結果などを考慮して決定されます。

大規模修繕工事は、計画段階から工事完了までトータルで2〜3年程度の時間を要する大きなプロジェクトです。そのため、事前の計画が非常に重要となり、大規模修繕計画の策定が必要となります。

・大規模修繕をやらないとどうなる?

大規模修繕工事を行わないと、さまざまな問題が生じる可能性があります。

まず、建物の強度が低下し、安全性が損なわれる可能性があります。

マンションの構造部分が劣化してくると、その耐久性が低下し、さまざまなリスクが高まるためです。

外壁タイルが崩落する、地震への耐震性が低下するといった問題も生じます。

また、雨漏りや錆の発生といったトラブルも増える可能性があります。これらの問題は、住民の生活に大きな影響を与えるだけでなく、安全面でも非常にリスクが高い状態となります。

さらに、大規模修繕はマンションを安全かつ快適に保つためにも必要不可欠です。

定期的なメンテナンスによって、建物の長寿命化を図ることができ、居住者の安心と安全を保障することができます。

大規模修繕はマンションの資産価値を維持・向上させる効果もあります。修繕を行うことで、建物の外観や設備が新しくなり、それによってマンションの価値が上がるのです。

・大規模修繕の周期は法律でどう定められているの?

大規模修繕工事の周期に関して法律で具体的に定められているものはありませんが、国土交通省が示しているガイドラインによれば、一般的には12年を目安としています。

しかし、一律に12年を目安にするのではなく、幅を持たせて修繕周期を計画することを示しています。これにより、マンションの特性や状況に応じた柔軟な計画が可能となります。

マンションの形状や仕様、立地条件、劣化症状などを考慮して修繕計画を立てる必要があります。これにより、それぞれのマンションに最適な修繕計画が策定できます。

また、居住者の要望や修繕積立金の状況も修繕計画に大きく影響します。これらの要因を踏まえて、適切な修繕計画を立てることが重要です。

さらには、自然災害への対応や耐震性能の維持・向上も重要な視点となります。これにより、マンションが長期間安全に使用できるようになります。

そのような点を踏まえ、国土交通省は、特に頻繁に取り組まれる修繕工事内容について、以下のような目安を示しています。

  • 屋根防水(屋上・傾斜屋根):12年~15年
  • 床防水(バルコニー床・開放廊下・階段等):12年~15年
  • 外壁塗装等(外壁塗装・タイル帳補修・シーリング):12年~15年
  • 鉄部塗装:5年~7年

これらの目安を基に、修繕計画を策定することが推奨されています。

大規模修繕の具体的な周期について

大規模修繕の周期は、マンションの安全と快適な生活を保持する上で非常に重要な要素となります。

マンションの築年数や使用状況、立地条件など多くの要因によってその時期が左右され、法律や国土交通省のガイドラインによって示される目安や義務も、その計画に大きく影響を与えます。

ここでは、大規模修繕の具体的な周期について、国土交通省が示す目安や義務に基づく修繕周期を解説し、その後に10年毎の全面打診調査の義務やその実施時期の猶予について詳しく説明します。

・大規模修繕に適した周期とは

上記でもお伝えした通り、国土交通省は一律に12年を目安にするのではなく、さまざまな要因を考慮して修繕周期を計画することを推奨しています。

これにより、マンションの特性や状況に応じた柔軟な計画が可能となります。

竣工後や外壁改修後10年を経た建築物は、10年を超えた最初の調査時に全面打診等による調査を行うことが義務化されています。

これは建築物の安全を確保するための重要な措置になります。

『全面打診等による調査』とは、建築物の外壁の劣化や損傷状況を調査する方法です。

特殊建築物に対しては、2〜3年毎の「目視及び部分打診調査」と10年毎の「全面打診調査」を行うことが建築基準法で義務付けられているのです。

ただし、3年以内に外壁改修が行われる見込みの場合、全面打診調査の実施猶予を受けることが可能です。これにより、計画的な修繕が行いやすくなります。

ちなみに、全面打診調査を行う際には足場が必要となります。そのため、この調査のタイミングで大規模修繕を行うと、費用が割安になるというメリットがあります。

この理由から、12年目程度に大規模修繕を行うことを推奨する施工会社も存在します。

・大規模修繕の周期は18年?

大規模修繕の周期に関しては、一般的には12年〜15年前後で行われることが多いですが、最近では最長で18年ごとに行う修繕サービスが普及し始めています。

マンションの大規模修繕は、規模によっては数千万円から数億円という巨額の費用がかかります。

そのため、修繕の回数を減らすことで、住民が月々の修繕積立金の負担を軽くすることが可能になります。

特に長期間住むことを前提としたマンション生活においては大きなメリットとなります。

マンション建物の耐用年数は一般的に60年と言われています。

仮に、12年周期で行うと5回の大規模修繕が必要となりますが、15年であれば4回、18年であれば3回程度となり、修繕の回数を減らすことが可能です。

ただし、修繕周期をむやみに延ばしていいものではありません。

周期を長くするためには、適切な材料や工法の採用、高い耐久性の修繕が欠かせません。また、修繕と修繕の間に行う軽微な修繕やメンテナンスも重要となります。

・大規模修繕2回目の時期は?

国土交通省の調査データによると、2回目の大規模修繕は築26〜30年前後に行われることが多く、この範囲が調査データのほぼ半数を占めています。

また、平均値は29.4年、中央値は28年と公表されています。

さらに上位25%のデータを見ると、32年という数字が出てきます。これを基にすると、16年周期での大規模修繕も一定の割合で行われていることがわかります。

上記でも解説したように、長周期化の傾向が見られる現在、18年周期での大規模修繕が増えてくる可能性があります。

これは、修繕積立金の負担軽減や資産価値の維持といった視点からも注目される動きです。

ただし、長周期化を実現するには条件があります。

高い耐久性を持たせる修繕が不可欠で、大規模修繕の間に行う軽微な修繕やメンテナンスも欠かせませんので、大規模修繕計画が重要になります。

大規模修繕計画書の策定について

大規模修繕工事を進める上で、その計画を具体的に示す「大規模修繕計画書」の策定は非常に重要な取り組みとなります。

マンションの長寿命化を目指す上で欠かせないものですから、その策定の重要性と方法を理解しておくことが、適切な計画書作成のためにも大切になります。

この計画書は、マンションの将来像を描き、住民全員が安心して生活できる環境を作り上げるための基盤となるものです。

そこでここでは、大規模修繕計画書の策定に関連するさまざまな要点を詳しく解説していきます。

・修繕計画書の重要性

修繕計画書は、マンションの安全と快適な生活を長期にわたって築き上げるための重要な取り組みとなります。

この計画書は、大規模修繕だけでなく、その間に行われる小規模な修繕も計画し、長周期化や修繕積立金の軽減などの視点から取り組むことが重要です。

まず、大規模修繕の周期と具体的な修繕内容を理解することで、修繕計画書の策定時に適切な時期と内容を見極めることが可能となります。

それにより、マンションの安全性や資産価値の維持、住民の快適な生活を保障することができます。

次に、小規模な修繕に関しても計画的に行うことが重要です。大規模修繕の間に行われる小規模な修繕は、日常的なメンテナンスや急なトラブルへの対応をスムーズに行うために不可欠です。

これにより、大規模修繕までの期間中も安心して生活できる環境を維持することが可能となります。

さらに、長周期化の視点からも修繕計画書の策定は重要です。

適切な材料や工法の採用により、修繕の周期を長くすることで、修繕積立金の負担を軽減することが可能となります。

しかし、長周期化を追求するあまり、安全性を損なうような計画は避けなければなりません。

また、修繕積立金の軽減も重要な視点となります。適切な修繕計画により、住民が負担する修繕積立金の額を適正なレベルに保つことができます。

これにより、住民の経済的な負担を軽減しつつ、マンションの安全と快適な生活を保障することができます。

最後に、修繕計画書は住民の要望や意見を反映させるためのツールとしても機能します。

住民の声を聞き、それを計画に反映させることで、住民全員が安心して生活できる環境を作り上げることができます。

・大規模修繕計画書は30年?

国土交通省が公表している長期修繕計画作成ガイドラインでは、長期修繕の計画期間を『30年以上、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とする』と定めています。

これにより、30年以上の期間で2回の大規模修繕工事を計画することが基本となります。

このガイドラインに従えば、16年や18年といった周期で大規模修繕計画を立てることも可能です。

このような長期間の計画を立てることで、将来的なメンテナンスや修繕に対するビジョンを明確にし、住民に安心感を提供することができます。

ただし、長期修繕計画は固定されたものではありません。

5年程度ごとに調査を実施し、その結果を基に1年から2年程度の期間を見直し期間として計画を見直すことが推奨されています。

この見直しは、マンションの現状を正確に把握し、必要な修繕を適切なタイミングで行うために重要です。

また、施工業者と連携しながら定期的に調査を行い、現実的な大規模修繕計画に見直していくことが求められます。

そのため、施工業者の専門的な意見やアドバイスを取り入れることで、より現実的かつ効果的な修繕計画を策定することが可能となります。

まとめ~神奈川県川崎市の大規模修繕工事なら

本記事では、マンションの大規模修繕の周期について深く掘り下げてきました。

大規模修繕は、マンションの安全と快適を保障する上で不可欠です。

ただ、その周期が法律で一律に固定されているわけではなく、柔軟に対応できるようになっています。

そのため、18年周期での修繕が普及し始めていることも注目されています。

修繕周期の長期化が進む中で、安全を確保しつつ経済的な負担を軽減する方法が存在することが明らかになっています。

ただし修繕周期の長期化を実現するためには、大規模修繕計画書の策定に関する重要性を理解し、その具体的な方法についても把握しておくことが大切です。

修繕計画書は、大規模修繕だけでなく、それに間隔をあけて行う小規模な修繕も視野に入れ、長期的な視点でマンション管理を行う上で非常に重要となります。

大規模修繕計画書の期間については、国土交通省のガイドラインにおいては30年以上、2回以上という長期間での計画策定が推奨されています。

そのようなことから、マンションの長期的な安全と快適な生活を実現するための計画を立てるため、専門業者に相談し、修繕を進めていくことが大切です。

マンションやアパートの外壁塗装・大規模修繕のことなら、神奈川県川崎市の地元に20年以上密着し、4,000件超の豊富な実績を持っている大規模修繕専門店『アパマン修繕プロ』にご相談ください。

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