【令和6年度改正】川崎市の大規模修繕で活用できる補助制度について大規模修繕店が徹底解説

民間の福祉施設の老朽化が進む中、長期的な運営を考えると、適切な修繕や設備の更新は避けて通れない課題です。

しかし、修繕費用は多大なコストがかかるため、経営の大きな負担になることも事実です。そこで活用したいのが、川崎市の大規模修繕補助制度です。この制度をうまく活用すれば、修繕にかかるコストを大幅に削減でき、施設の安全性や快適性を維持しながら、入居者やスタッフにとってより良い環境を提供することができます。

本記事では、令和6年度に改正された川崎市大規模修繕補助制度の概要から、申請の流れ、補助金を最大限に活用するためのポイントまで、川崎市の大規模修繕店が詳しく解説していきます。

民間の特別養護老人ホームや養護老人ホームの運営者の皆様にとって、非常に有益な情報が詰まっていますので、ぜひ最後までお読みください。

参考：川崎市『川崎市大規模修繕補助制度申請の手引き（令和６年度改正）』

【令和6年度改正】川崎市大規模修繕補助制度とは？概要についてわかりやすく解説

川崎市が提供する大規模修繕補助制度は、民間施設の安全性や長寿命化、運営の効率化を目的とした補助金制度です。特に福祉施設などを対象とし、施設の維持・管理を支援するために、必要な工事や設備更新の費用の一部を市が補助します。令和6年度の改正により、さらに活用しやすくなったこの制度の概要を以下に解説します。

対象となる施設と条件

川崎市大規模修繕補助制度の対象となる施設は、主に築10年以上が経過した民間の特別養護老人ホームや養護老人ホームです。これらの施設は、事前申込と市からの内示を受けることで補助対象となります。また、補助金を受けるためには、修繕工事に自己資金を確保し、計画的な工事を行うことが求められます。

• 対象は築10年以上の福祉施設
• 事前申込と市の内示が必須
• 補助金以外に自己資金の確保が必要

補助対象となる工事と経費

補助金が支給される工事には、建物の長寿命化や施設運営の効率化に資するものが含まれます。具体的には、外壁や屋上の修繕、給排水設備の更新、エレベーターの改修などが対象です。また、工事に直接関連する経費だけでなく、設置工事を伴う備品の購入費用も補助されますが、設計費用や工事を伴わない備品の購入費は対象外です。

• 外壁や屋上、設備工事が対象
• 設置工事を伴う備品購入費も補助対象
• 設計費や備品のみの購入は対象外

申請から工事完了までの流れ

この制度を利用する際は、申請手続きと進捗管理が重要です。事前に市へ申込を行い、内示を受けた後、設計業務を開始し、補助申請を行います。工事契約は市内中小企業を対象とした入札によって決定され、工事が完了した後に実績報告を提出し、補助金の支払いが行われます。工事がスムーズに進むよう、施設運営への影響を最小限に抑える計画を立てることも求められます。

• 申請手続きは事前申込、内示、設計から補助申請へ進行
• 施工業者は入札で決定
• 実績報告後に補助金が支払われる

この制度の概要を理解することで、適切な申請手続きを行い、施設の修繕や改善を効果的に進めることができます。次の章では、令和6年度に改正された具体的なポイントについて解説していきます。

【令和6年度改正】川崎市大規模修繕補助制度の申請内容について

川崎市では、民間施設の長寿命化や運営の効率化を目的として、大規模修繕に対する補助制度を提供しています。

令和6年度には、この補助制度にいくつかの改正が加えられ、より多くの施設が対象となり、制度の利用がしやすくなりました。施設の安全性を確保し、地域の生活環境を向上させるための重要な施策として、多くの施設管理者が活用できる内容となっています。この記事では、

ここでは、川崎市の大規模修繕補助制度の最新情報や、申請の流れ、注意点などを詳しく解説します。

大規模修繕補助制度の目的

補助制度の目的は、民間の特別養護老人ホームなどの福祉施設を対象に、計画的な修繕をサポートすることで、施設の長期的な使用を可能にすることにあります。特に、施設が60年間という長い期間にわたって安全かつ快適に利用されるために、修繕工事を促進し、施設の寿命を延ばすことが重要視されています。

この制度により、修繕が遅れて施設が老朽化するリスクを減らし、利用者にとって安心できる生活環境を提供することが目指されています。結果として、福祉施設の運営者は、建物の維持管理を計画的に進めることができ、将来的な大規模修繕のコストを抑えることも期待されています。

このように、川崎市の補助制度は、施設の長寿命化を通じて、地域全体の福祉向上に寄与するものです。

対象施設・補助対象施設数

補助制度で対象となる施設は、築10年以上経過した民間の特別養護老人ホームや養護老人ホームです。これらの施設が補助を受けるためには、事前に川崎市に申請を行い、内示を受けていることが条件となっています。つまり、修繕の計画がある場合、まずは川崎市に申込をして許可を得る必要があります。

また、補助の対象となる施設は各年度で10施設を想定しています。ただし、申込数が10件を超える場合は、築年数が古い施設が優先されるというルールがあります。これにより、より老朽化が進んでいる施設が優先して修繕の補助を受けられる仕組みとなっており、限られた補助金を有効に使うことができます。

補助制度の対象工事

補助制度の対象となる工事は、施設の長寿命化や運営の効率化、改善に繋がるものが主な対象となっています。具体的には、建物の改修や設備の更新、工事に関連する費用が補助の対象です。ただし、設計費用や工事を伴わない備品の購入費は補助の対象外です。

以下は、補助の対象となる主な工事内容です。

①建築工事

• 外壁や屋上の修繕工事が含まれ、建物の外部や防水性を維持・改善するための工事。

②設備工事

• 給排水設備工事：受水槽やポンプ、ボイラーなど、給水・排水に関わる設備の修繕や交換。
• 電気設備工事：電気供給システム、発電設備、照明などの電気設備の修繕。
• 空気調和設備工事：冷暖房機器や換気設備の更新、冷却塔の工事など、空調関連の工事。
• 消防設備工事：自動火災報知設備やスプリンクラー、非常放送設備など、消防・防災機器に関わる工事。

③昇降設備工事

• エレベーターや小荷物用昇降機の修繕・交換。

④付帯設備工事

• ナースコールや中央監視装置など、施設運営に必要な付帯設備の更新や修繕。

⑤設置工事を伴う備品の購入

• 特殊浴槽や厨房機器など、設置工事が必要となる備品の購入費。

また、これらに加えて、施設の省エネ化や介護報酬の加算を目的とした改修工事、その他川崎市が必要と認める工事も補助の対象となります。

補助金交付の条件

川崎市の大規模修繕補助制度では、補助金を受けるためにはいくつかの重要な条件を満たす必要があります。これらの条件を理解しておくことで、スムーズな申請と受給が可能になります。以下はその条件をわかりやすく解説した内容です。

①自己資金の確保

補助金だけではなく、修繕や備品購入に必要な自己資金（借入金を含む）が確保できていることが求められます。補助金はあくまでも一部をカバーするものであり、残りの費用を賄う目途が立っていることが必要です。

②工事と施設運営の両立

大規模修繕を行う際、工事中における施設の運営や利用者への配慮が求められます。具体的には、工事が施設の利用に与える影響を最小限に抑えるための計画が必要です。これには、利用者の安全確保や工事のスケジュール調整が含まれます。

③施設の長寿命化や効率化への貢献

大規模修繕や備品購入が、施設の長期的な利用を可能にし、経営の効率化に寄与するものであることが重要です。単なる修繕ではなく、施設の価値向上や運営改善に繋がる工事であることが条件となります。

④市内中小企業の活用

修繕工事や備品の設置を行う事業者は、原則として市内の中小企業者を対象とした一般競争入札で決定することが求められます。これは、地域経済の活性化を目的としています。

⑤他の補助制度との重複不可

国や県の補助制度と重複して補助金を受けることはできません。もし他の補助制度を利用している場合は、川崎市の補助金と併用できないため、申請時にはこの点を確認しておく必要があります。

補助制度のスケジュールについて

川崎市の大規模修繕補助制度のスケジュールは、2年にわたるプロセスで進行します。ここでは、そのスケジュールをわかりやすく説明します。

■1年目

4月〜7月末：事前申込

この期間に、必要な書類を作成し、川崎市へ事前申込を行います。施設の修繕を希望する場合、早めに準備を始めることが重要です。

8月下旬：内示

申込が完了すると、川崎市から補助金を受ける可能性がある施設に内示が行われます。もし申込数が10件を超えた場合、築年数が古い施設が優先されます。

9月〜11月下旬：補助申請

内示を受けた後、修繕設計に取りかかり、その内容に基づいて事業計画書や申請書類を作成し、川崎市に提出します。設計内容を十分に反映させた申請が求められます。

12月下旬：交付決定

補助金の交付が決定すると、入札を通じて施工業者を市内の中小企業者から選びます。施工業者が決定したら「着手届」を提出して、工事を開始します。

■2年目

4月〜3月：実績報告と補助金請求

修繕工事が完了したら、実績報告書を川崎市に提出します。その後、確定通知書が交付され、請求書や領収書を提出することで補助金が支払われます。領収書がまだ発行されていない場合は、後日追加で提出することが必要です。

補助制度の申請について

川崎市の大規模修繕補助制度を利用するためには、いくつかの手順と申請書類の準備が必要です。ここでは、申請の流れと必要な書類についてわかりやすく解説します。

1. 工事着手までの流れ

まず、補助金を利用するためには事前申込が必要です。申込を行い、川崎市から内示を受けた施設は、その年度における補助制度の対象となります。内示を受けた後は、以下のステップに従って進めます。

①設計業務の開始

内示後、速やかに大規模修繕に関する設計を進める必要があります。同時に、本申請に必要な事業計画書や申請書類の作成にも取り掛かります。

②施工業者の決定

補助金の交付が決定した後、市内の中小企業者を対象とした一般競争入札を行い、施工業者を選定します。なお、工事監理に関しても交付決定後に契約を締結しますが、設計業務と関連性が高い場合は、必ずしも入札を行う必要はありません。

2. 申請書類の作成方法

申請を行う際には、指定された書類を作成して提出する必要があります。提出はメールで行い、紙の書類の提出は不要です。具体的には以下の書類が求められます。

■事前申し込みについて

①見積書

大規模修繕にかかる費用が記載された見積書を用意します。可能な限り市内の中小企業者から見積書を取得することが推奨されています。

②補助申請の概要（第2号様式）

工事契約ごとに申請書を作成し、補助対象となる部分と対象外の部分を明確に記載します。

③施設に関する図面

新築時の各階の平面図や配置図を添付します。図面が大きい場合は縮小して提出しても問題ありません。

④改修箇所の写真（第3号様式）

修繕が必要であることを証明するために、老朽化が進んだ箇所の写真を提出します。第2号様式と対応させて整理します。

⑤補助金額算出表（第4号様式）

補助金額を計算するために必要な情報を入力します。ここでは工事費用の総額や施設の開所日、補助金額を算出するための係数などを記載します。

⑥法人や施設の概要資料

施設や法人の概要が分かるパンフレットなどを提出します。

⑦その他の必要書類

必要に応じて追加書類が求められる場合があります。

■補助申請について

①事業計画書の提出

申請には、まず『事業計画書（第6号様式）』が必要です。この書類では、修繕の目的や詳細な工事内容が明示されていることが求められます。計画書は、補助金申請の根拠となるため、細かい内容を盛り込むことが重要です。

②補助申請の概要（第2号様式）

補助申請の概要（第2号様式）は、事前申込に基づいて作成しますが、申込後に変更があった場合は、その変更を反映させたものを提出する必要があります。

③見積書の提出

大規模修繕等の費用が分かる見積書も必要です。これも、事前申込後に修正が加えられた場合には、修正版を添付します。見積書には、修繕や備品購入にかかる正確な費用が明記されていることが求められます。

④施設の平面図・配置図

各階平面図や配置図も、工事範囲が変更された場合は、最新のものを提出します。新築時や過去の図面を使い、工事対象範囲が正確に示されている必要があります。

⑤設計図面と工程表

設計図面と工程表は、修繕工事の詳細な内容を反映したものです。任意様式で作成できますが、全体の工事スケジュールや、工事期間中に施設利用者への影響を最小限にするための調整内容が明確に示されている必要があります。複数の工事が同時に行われる場合は、それぞれの工事の時期がわかるように整理してください。

⑥修繕箇所や備品の写真

修繕の必要性を示す修繕箇所や備品の写真（第3号様式）も、変更がある場合は新しいものを提出します。写真は、改修前の状態が確認できるものを準備し、必要に応じて事前申込の内容に合わせて作成します。

⑦中長期保全計画

施設の将来的な保全に関する計画である中長期保全計画も求められます。これは、今後30年間にわたる施設の修繕計画を示すもので、任意の形式で作成できますが、川崎市の要綱に基づいて作成することが推奨されています。これにより、長期的に施設を維持・運営するための具体的な方針が示されます。

⑧補助金額算出表

補助金額算出表（第4号様式）も、修繕内容に変更があれば更新が必要です。この表では、修繕にかかる費用の詳細や補助対象工事の総額などが記載されます。

⑨その他必要な書類

必要に応じて、川崎市が追加で求める書類を提出することがあります。事前にすべての書類を揃えておくことが、スムーズな申請のためのポイントです。

■実績報告について

①工事監理報告書および建築士の免許証の写し

工事監理が行われ、監理費用が補助対象経費に含まれている場合は、工事監理報告書と建築士の免許証の写しを提出する必要があります。工事監理を行っていない場合は、これらの書類の提出は不要です。

②改修図面

完了した工事に基づく確定版の図面を提出します。設計段階での図面ではなく、実際に行われた改修内容を反映した図面であることが重要です。

③工事前後の写真

大規模修繕や設備工事の前後の状況を比較するための写真を提出します。これにより、実際に工事が行われたことを証明します。

④保証書の写し

修繕工事や備品に対して発行された保証書がある場合、その写しを提出します。保証書が発行されていない場合は、提出は不要です。

⑤備品の納品書の写し

修繕工事に関連する備品の納品書や関連書類を提出します。発行されていない場合は、提出不要です。

⑥検査済証の写し

法令等で定められた検査が行われている場合、その検査済証の写しを提出します。こちらも、発行がない場合は提出不要です。

⑦補助申請の概要（第2号様式）

実績に基づく最新の数字に更新した補助申請の概要を提出します。最初の申請内容から変更がある場合は、その変更を反映させたものを用意します。

⑧補助金額算出表（第4号様式）

実際に行われた工事や購入に基づく補助金額を算出し、実績ベースの数字に更新して提出します。

⑨請求書の写し

各工事契約ごとの請求書の写しを提出します。これにより、実際の費用が確認され、補助金の支払い手続きが進みます。

⑩その他必要書類

必要に応じて、追加の書類提出を求められる場合があります。市長が特に認めた場合に提出が求められることがあるため、臨機応変に対応する準備が必要です。

施工業者の選定について

川崎市の大規模修繕補助制度を利用する際、施工業者の選定は原則として、市内の中小企業者を対象にした一般競争入札で行う必要があります。これにより、公平かつ透明なプロセスを経て業者が選ばれます。

また、既存の設備のメンテナンスやアフターサービスが特定業者でなければ実施できない場合は、例外として入札を行わなくてもよいケースがあります。その場合は、「入札が行えない理由書」を提出し、市の承認を得る必要があります。

ここでは、施工業者の選定における流れを簡潔に解説します。

①条件設定

まず、入札に参加するための条件を設定します。この条件には、業者が満たすべき基準や、入札のスケジュールなどが含まれます。スケジュールは、業者が適切に見積もりを行える時間を考慮して設定することが重要です。

②市への確認

設定した入札参加要件やスケジュールを、市に報告します。これにより、市が入札の準備状況を把握し、適切な監督を行います。

③公告

次に、入札の告知を新聞やホームページで行い、広く周知します。これにより、関心のある業者が入札に参加できるようにします。

④応札業者の受付

業者が入札に参加するために申し込みを行います。受付方法については、談合を防ぐため、受付時間を分けたりする配慮が必要です。

⑤業者適格審査

業者が入札に適しているかどうかの審査を行い、審査が完了したら市に参加状況を報告します。

⑥図面渡し

工事に関する図面を業者に渡しますが、この際、業者が一堂に会して談合を行わないように配慮します。説明会を実施する場合も、複数回に分けて時間や場所を変えるなどの対策を講じます。

⑦入札

入札を実施した後、結果表を市に提出します。もし入札がうまくいかない（不調）場合は、条件の変更などについて市と協議します。

⑧契約締結

入札が成功し業者が決定したら、契約を締結します。契約後は「着手届」を市に提出し、工事を正式に開始する手続きを進めます。

工事に関する注意事項について

川崎市の大規模修繕補助制度を利用する際、工事に関しては特にいくつかの重要な注意事項があります。これらのポイントを守ることで、スムーズに工事を進めることができます。以下に、その注意事項をわかりやすく解説します。

①工事の進捗管理

工事は、補助金の交付が決定した年度の次年度末までに完了するように計画を立てる必要があります。これは、工事の遅れが生じないようにスケジュールをしっかりと管理し、施工業者からの請求も適切に行えるようにするためです。また、入札契約や着工の時期については、市と十分に確認を取りながら進めることが求められています。これにより、計画的かつ効率的に工事を進めることができます。

②施設運営への影響を最小限にするための配慮

修繕工事を行う際には、施設の利用者に与える影響を最小限に抑えることが非常に重要です。工事の進行中も施設が通常通り運営できるよう、設計段階から利用者への配慮を含めた具体的な施工計画を立てる必要があります。これには、工事間の調整や騒音・振動などの影響をできるだけ軽減するための対策が含まれます。

③建築確認の必要性

エレベーターの更新など、大規模な修繕内容によっては、建築確認が必要になる場合があります。建築確認は、安全性を確保するための重要な手続きであり、工事開始前に必要な確認を受けることが求められています。工事内容に応じて、この手続きを適切に進めることが重要です。

これらの注意事項をしっかりと守りながら工事を進めることで、川崎市の大規模修繕補助制度を円滑に活用することができます。特に、工事のスケジュール管理や施設運営への配慮は、修繕工事の成功に欠かせないポイントとなります。

補助金交付決定の取消および補助金の返還について

川崎市の大規模修繕補助制度では、補助金を受け取った後でも、特定の条件に違反した場合は補助金の交付決定が取り消され、すでに受け取った補助金の返還が求められることがあります。以下に、その主な理由についてわかりやすく解説します。

①虚偽や不正行為による申請

補助金の申請時に、虚偽の情報を提供したり、不正な方法で交付決定を受けたりした場合、補助金の交付は取り消され、返還が求められます。正確な情報に基づいた申請が重要です。

②補助金の交付請求を行わない場合

補助金の交付が決定したにもかかわらず、正当な理由がなく交付請求を行わなかった場合、補助金の交付が取り消されます。必要な手続きを怠らないようにしましょう。

③中長期保全計画の適切な実行を怠った場合

補助金を受け取る際には、中長期保全計画に基づいて適切に修繕を実施することが求められます。もし正当な理由なくその指示に従わなかった場合、補助金の取り消しや返還が求められることがあります。

④法令違反

工事や補助金の利用に関して法令に違反した場合、補助金の交付は取り消されます。法令に基づいて適正に工事や補助金を管理することが重要です。

⑤補助金の目的外使用

補助金は指定された修繕や工事にのみ使用することが条件です。もし補助金を別の目的で使用した場合、その行為は違反となり、補助金を返還する必要があります。

⑥その他の規定違反

補助制度の規定に違反した場合も、交付決定の取消や補助金の返還が求められます。要綱やガイドラインに従った適切な運営が必要です。

これらの違反行為が発生した場合、補助金の全額または一部の返還が求められ、制度の利用が中止される可能性があります。適切な管理と正確な情報提供、計画の実行が補助金利用において重要な要素となります。

大規模修繕で活用できる補助金・助成金・支援制度とは

大規模修繕を計画する際には、川崎市の補助制度に限らず、さまざまな補助金や助成金、支援制度を活用することが可能です。国や地方自治体、さらには関連団体が提供するこれらの制度をうまく組み合わせることで、修繕費用を大幅に削減し、経営への負担を軽減できます。

ここでは、大規模修繕に関連する代表的な支援制度について解説します。

国の補助金・助成金制度

国が提供する補助金や助成金制度の中には、建物の省エネルギー化や耐震補強、バリアフリー化などを目的とした支援があります。特に、環境省や国土交通省が提供する省エネルギー型の補助金は、設備の更新や改修工事に対して高額な補助が得られる場合があります。また、福祉施設向けに、バリアフリー改修を促進するための支援制度もあります。

• 省エネルギー改修補助金
• 耐震補強助成金
• バリアフリー化支援制度

地方自治体の補助制度

川崎市以外にも、多くの地方自治体が地域の建物の保全を促進するための補助制度を提供しています。自治体ごとに支援の対象や内容は異なりますが、地域に根ざした修繕工事や、防災対策を目的とした補助金などが利用可能です。施設が所在する自治体のウェブサイトや相談窓口で、最新の情報を確認することが重要です。

• 各自治体による防災・耐震対策の補助金
• 地域振興を目的とした補助金や助成金
• 市や区ごとの独自支援プログラム

民間団体の支援制度

民間の団体や財団法人が提供する助成金や融資制度も、大規模修繕の資金調達に役立ちます。これらの制度は、地域社会や環境に貢献するプロジェクトに対して助成金を提供するもので、福祉施設や公共性の高い施設に対する支援が特に多く見られます。また、金利の低い融資制度もあるため、施設運営における財務計画と合わせて検討するとよいでしょう。

• 財団法人や協会が提供する助成金
• 環境保全や地域貢献を目的とした支援制度
• 金利の低い融資制度

まとめ～川崎市の大規模修繕なら

本記事では、令和6年度改正の川崎市大規模修繕補助制度について詳しくお伝えしました。

対象となる施設や工事内容、申請の流れ、補助金の交付に関する注意点、さらに一般的な補助金・助成金制度についても解説しました。この制度を活用することで、施設の安全性を高め、運営コストを抑えることができるため、特別養護老人ホームや養護老人ホームにとっては大きな支援となるはずです。

施設の老朽化や修繕の必要性を感じている方は、まず事前申込から始め、制度の利用を検討してみてください。しっかりと計画を立て、適切なタイミングで申請を行うことで、修繕費用を効率よく削減し、長期的な施設運営に貢献することができます。

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